- 2022年3月8日
- Building a better working world
- 第03号
経済で社会平和を、日本から。
日本発。「コンサル業」の新境地を切り開く気鋭のファーム
世界に先駆けて「パーパス」に基づく経営を打ち出したEY。EYのグローバルネットワークのメンバーファームであるEYストラテジー・アンド・コンサルティング(EYSC)もまた、EYの「パーパス」を実現するために、自社の領域におけるコンサルティング独自のパーパス「経済で社会平和を、日本から。」を打ち立てました。高い理想を掲げてコンサルティング業の新たなあり方を作り出そうとするEYSCの強みと魅力は何か。組織を牽引する近藤社長に伺いました。
「社会平和」を求めてやまないEYコンサルの「存在意義」とは
――BIG 4と呼ばれる世界4大プロフェッショナルファームの一角を担う存在として、EYが最も重要視していることは何でしょうか。
端的に言うなら「パーパス」、すなわち社会に対する自らの「存在意義」を明確に定め、全ての行動のよりどころとしていることです。BIG 4のなかで最初にパーパスを定義したのがEYで、こだわりは本物です。
パーパスの重要性については、3年ほど前の「ハーバード・ビジネス・レビュー」(2019年3月号/2021年10月号)でも特集されて話題になりましたが、ビジョンや将来像ではなく「存在意義」を言語化したもので、今の組織や自分のあり方を規定するものと考えてください。EYではBuilding a better working world(より良い社会の構築を目指して)というパーパス(存在意義)を定め、他のファームに先駆けてパーパス経営を実践してきました。
では、そのパーパスの下で何を追求するのか。それが「Ambition/なりたい姿」です。EYが掲げているのは、「長期的価値をClient、People、Societyにもたらすことができる、信頼され、独特のプロフェッショナルサービスを提供する組織」──すなわち、「長期的な価値」を創出すること。
コロナ禍や気候変動問題で明らかになったように、企業であれ行政であれ、これまでのように目先の利益を求めるだけではサステナブルな将来は望めません。長期的な価値を見据えながら持続可能性を追求し、いかにして短期的な価値までも高めるか、この視点が重要です。
――一方で、コンサルティング独自のパーパスとして「経済で社会平和を、日本から。」を発表されました。どのような思いが込められているのか教えてください。
パンデミック(感染症の世界的大流行)、地政学リスク、人権侵害、地球温暖化など、私たちが直面している問題の多くは世界共通の課題であり、グローバルな視座に立った対応が欠かせません。ですが、その対応策までもが世界共通ではなく、個々の国や地域が置かれた状況によって道筋は千差万別でしょう。そうであれば、EYグローバル全体の存在意義をいま一歩身近に引き寄せ、この国の実情に照らして読み替える必要があるだろうと考えたのです。
例えば、貿易問題を考えるときに地政学的視点は不可欠ですし、それによって企業が同じ製品を売るのに原料の産地を変えたり、逆に産地に応じて売り先を変えたりといったことが起こり得ます。人権などの倫理的問題で原料や生産地の見直しを余儀なくされることもあるでしょう。その対策は、国や地域によって大きく異なります。コロナ禍で露呈したデジタル化の遅れや人材不足、これは日本特有の「より良い社会」であるための課題でした。
こうしてみると、企業単体の努力や工夫だけでは乗り越えられない課題が多いことに気づきます。コンサルティングファームの主な仕事は個々の企業の戦略を支え、利益を最大化することですが、もはやそれだけでは対処できなくなっている。脱炭素化などはいい例でしょう。仮に1社の成功を実現できたとして、それで課題そのものが解決したとはいえません。
それだけ問題の裾野が広く大きいといいますか、社会課題と個社の経営課題がイコールに近くなってきた以上、業界ごと変えていかないと世の中は良くなりませんし、個々の長期的な成長も望めないのだと思います。
業界そのものに変革を起こす、コンサルタントの新しい役割
──だからこそ「社会平和」の希求へとつながっていくわけですね。
そこがターゲットだと思っています。極端に言えば、ある企業がうまくいくかいかないかというレベルを超えて、社会全体の安定と安寧を求めるぐらいの気概を持って課題解決に向かっていく。そうした姿勢でなければ、個社の課題すら解決できないだろうということです。
そうなると、コンサルティングファームの機能や動き方もおのずと変わってきます。大企業だけでなく中小企業も、経済界だけでなく政治も行政も、大学などの学術機関も、非営利組織や市民団体とも連携し、緊密なネットワークを組まなければ世の中は動きません。
その多様なアクターのハブとなって橋渡し役を務められるのは、コンサルタントというニュートラルな存在だけ。それも株主の意向に左右されることのない、パートナー制ファームの特長です。
そんな世界観を持つ新しいビジネスコンサルティングを日本で実践し、日本から世界に向けて発信していく。私たちEYとは、そういう会社です。
新時代のコンサルティング業界を創造する「100年に1度」のチャンス
──コンサルティング独自のパーパス「経済で社会平和を、日本から。」の下で、どのようなコンサルティング活動を展開していかれますか。
まず挙げられるのは、「セクターフォーカス」に注力していくこと。先ほど「業界ごと変えていく」と申し上げたのがまさにこれで、個社に対するサービスはもとより、その企業が含まれる業界全体に対しても多角的にアプローチしていきます。そのためには、ある特定の業界に通じた強みを持つチームを編成することが重要ですが、同時にそこを中核として異なる分野とも連携の幅を広げていくことになります。
例えば、自動車業界に変革を起こすには自動車のプロが必要ですが、自動運転をつかさどるAIなどの先端技術や、それを規制するガバナンスやサイバーセキュリティ、エネルギー政策、あるいは都市計画といった分野の知見まで総動員しなければ、「100年に1度の変革期」ともいわれるモビリティの明日を展望することはできないでしょう。
だからこそ、われわれのように特定の業界に深く関わる一方で、多種多様な業界をまたぐクロスセクター的な動きも得意とするファームの存在価値があるのです。そこにはもちろん、業種を超えた連携だけでなく、産官学民をつなぐ連携も含まれます。私たちは、政策アドバイザリーとして政府機関などに働きかける機能を有することも強みとしています。
「My Purpose」を胸に組織の強みを築き、自分を伸ばせる職場
──そうしたコンサルティングファームの一員として働く魅力とは何でしょうか。
EYは世界的ファームですが、日本では後発組で、BIG 4のなかでは規模も比較的小さく、真価が問われるのはまだこれからといった段階です。だからこそ、面白い。自社の強み、守備範囲の広がりといったものを、これからどんどん伸ばしていける可能性があります。自分自身のチャレンジで、どの分野においても強くなれるチャンスがある。これはなかなか求めても得られない環境だと思います。その現場で、私たちと一緒にファームを創り上げていく醍醐味を感じていただきたいですね。
また、EY特有の企業風土、カルチャーといったものにも、ぜひ目を向けていただきたい。その一つとして、「合議制」があります。日常的な会議であっても、重要な意思決定の場であっても、何かにつけて話し合い、建設的な議論によって物事を決めていく風土が根づいています。一般的なコンサルティングファームの場合、パートナーによる投票で決議することが多いのですが、ここにはそれがない。だから、政治的闘争や階級的な壁とも無縁です。入社したばかりの若手が、面識のないグローバルのパートナーに直接コンタクトを取り、意見を交わすという場面も珍しくありません。
──風通しがよく、話が早い職場といえそうですね。どのような人材を迎え入れたいですか
企業においてもそうであるように、自分自身にも確固たるパーパス、「My Purpose」を持つ人物を求めています。特にEYは、社会そのものの価値を高めていくことに重きを置くファームです。その部分でシンクロすることができる方、また「志」と呼べるものを核に持ち、より良い社会の実現に向けて本気で取り組みたいとモチベーションを強く持つ方とともに働きたいと思っています。
私自身、社会平和のあり方を日本から発信するために、コンサルティングファームの定義を組み直し、根本からイメージを塗り替えるつもりで毎日を送っています。今がその100年に1度のチャンスと言っていい。日本のEYに、その最もエキサイティングな舞台があります。あなたのご応募を心からお待ちしています。
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EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 代表取締役社長
近藤 聡
<経歴>
大手総合コンサルティングファームにて、自動車・ハイテク業界を中心に、企業戦略、オペレーション改革、海外展開戦略の策定・実行支援など、クロスボーダーを含むプロジェクトを数多く手掛ける。2011年より、同ファーム日本代表を務めるとともに、APACリーダーおよびグローバル・オペレーション・リーダーなどを歴任。2019年初めよりEY JapanにてJapan Regional Leadership Teamの一員として、EY Japanの成長戦略の立案から実行までを統括する。2020年10月、EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会 代表取締役社長に就任。