テクノロジーTechnology
Web3とブロックチェーン技術の専門家
<経歴>
入社年:2021年4月
大学院在籍中に大手IT企業研究機関で研究インターンシップを経験。大学院卒業後は日本に移住し、モバイルゲームや決済業界を経て、AIやWeb3などの先端技術関連のスタートアップや個人事業に従事。ブロックチェーンを社会の基盤とするために、EYストラテジー・アンド・コンサルティングに入社。
<担当領域>
Web3(ブロックチェーン)、Web3以外(ML、Data Science、GAI)
1日の流れ
09:00 内部ミーティング
ビジネス検討チームと開発チームの連携MTGに参加します。私は開発チームのマネジメントを担当しており、進捗を報告します。その他、各チームから共有する課題も確認します。
11:00 技術リサーチ
週に何度かお客さまとの技術検討をしています。このためWeb3に関連する特定のテーマについて、どのような技術を使って開発をするのがよいか、それぞれの方法のメリットやデメリットについて調査を行い、お客さまに提案する準備をします。調査のほか、お客さまとのMTG資料も作成します。
13:00 プロダクトミーティング
ビジネスアイデアの議論や、技術とビジネスの潜在的な影響を把握・検討するミーティングに参加します。
デモを作成し、共有しながら具体的な動作イメージをもとに議論を進めるのが私のスタイルです。開発のための時間は必要ですが、具体的なデモがあることで、お客さまからの意見も出やすくなり、コミュニケーション面でのロスは少なくなり、トータルで見ると効率的だと考えています。
14:00 開発チームとのスプリントミーティング
今のプロジェクトで関わる開発者はプロフェッショナルであるため、相手を尊重し、進捗を細かく確認するのではなく、全体的な結果を見るようにしています。ビジネス目標などのすり合わせや、開発した実物を一緒に参照しながら進捗や課題を確認します。
15:00 内部ミーティング
10名ほどが参加する開発チーム内のミーティングです。主な目的は、進捗確認、課題になりそうなリスクの共有、プロジェクト内の主要な情報などの共有です。
17:00 子供の迎え、家庭の時間
2人の子供を保育園に迎えに行きます。
自転車の前と後ろに子供たちを乗せ、その日の出来事などを聞きながら自宅まで帰ります。
自宅でリモートワークをすることが大半なので、子供を迎えに行くことは屋外で活動する貴重なチャンスでもあります。外の空気を吸って気分転換にもなる幸せなひと時です。
19:00 グローバル開発メンバーとの個別連絡・技術検討
開発の内容について細かく確認したいときは、個別の関係者で確認します。議論の範囲は狭いものの、内容は深く所要時間も長くなりがちですが、関係者が納得できるまで検討します。
20:00 1日のまとめ
当日の作業の整理と、翌日の準備をします。
主な業務内容
大手金融機関に対して、ブロックチェーンとWeb3技術を駆使した革新的なビジネスモデルを提案しています。分散型IDやデジタル証明技術を活用したサプライチェーンのデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進なども含まれます。
また、次世代のWeb3ウォレットの企画設計からビジネスモデルの開発までを手掛け、食品流通プロセスに特化したSaaSの設計、研究開発、そして運用支援までを幅広く担当しています。
日々のタスクをこなすために工夫していること
1つは、最新技術の動向を常に追い、それをプロジェクトに生かすため、国内外の情報を広く収集しています。
例えばお客さまから、先進的な技術についてプロフェッショナルとして知見を尋ねられることもあります。このような場合は具体的な調査を行い、資料化します。必要に応じてデモを作ることもあります。特にWeb3のリテラシーは高いレベルで要求されるため、自分の持つ知見をフルに活用し、お客さまの期待に応えるように努力します。
もう1つは、同じプロジェクトのメンバーとチームを超えて積極的に交流することです。クライアントが抱えている問題を明確化し、確実にプロジェクトを進められるよう心がけています。
例えばビジネス検討チームのアイデアに対し、技術面からプラスしたほうがよい観点があれば、技術的な視点について共有し、短期間での納品につながるよう働きかけます。
技術面の細かい観点が見えているのが自分だけというケースもあります。このような場合はリスクを可視化し、解決方法を議論します。デモを用意することもあります。
プロジェクトに参画するメンバーそれぞれの強みを生かして、プロジェクトの成功に向けた効率的かつ効果的な進行を目指しています。
これまでに直面したチャレンジと、そのチャレンジをどのように乗り越えたか
金融業界でのDXは、常に技術的な検討だけでなく金融業界の規制への影響を検討する必要があります。特に、私たちが携わっているWeb3や分散型IDのような新しい技術を導入する際は、最新技術を評価してプロトタイプを開発するだけでなく、金融庁からの承認が下りるかが重要な観点の1つとなっています。
私は現在Web3新規事業の立ち上げを支援するプロジェクトに参画しています。こうしたプロジェクトでは仮説検証を繰り返して検討を深めるアジャイル開発を採用することが多いのですが、今回は開発に加えて、金融庁から承認を得ることが大きなチャレンジでした。技術的に正しく説明することよりも、監督省庁からの観点や関心にあわせて論点を整理して検討内容を伝えるため、業界団体や社内外の専門家との協力をもらいながら検討を重ねました。
これらの経験から、技術的な知識と同様に、規制への理解と異なるステークホルダーとの効果的なコミュニケーションがいかに重要かを学びました。テクノロジーエンジニアリング部門でのキャリアを目指す方々には、技術スキルの向上だけでなく、クライアントのビジネスに関わる法律や規制への理解、コミュニケーション能力を磨くことも大切になってきます。
他部門との協業について
ブロックチェーン&Web3技術のプロジェクトでは、技術部門、マーケティング部門、そしてクライアントの各部門と密接に協力しています。さまざまな視点からのフィードバックを取り入れながら、効果的なコミュニケーションを通じてプロジェクトの成功に貢献しています。
これからの目標
ブロックチェーン&Web3技術は無限の可能性を秘めています。これらの技術を活用し、多様な業界で革新を起こしていくことが私の目標です。技術の普及とともに生じる新たな課題にも積極的に取り組み、持続可能な社会の実現に向けて努力していきます。