EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(EYSC)

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ESG Economics Strategy/ESG時代の企業の視座転換Strategic Impactイニシアティブインタビュー 02

企業経営者の長期的視座を養い、
経済活動を通じた社会課題解決を可能とする

パートナー尾山 耕一

ESGと呼称される、環境・社会・ガバナンスを各企業が追求するための仕組みづくりをミッションとするのが、ESG Economicsストラテジー チーム。尾山パートナーが、ESG時代の企業の視座転換について語ります。

企業の社会的・長期的視座を養うために金融システムと企業意識を改革する

まずは、推進しているESG時代の企業の視座転換イニシアティブについて教えて下さい。

尾山

2015年に国連にてSDGs (Sustainable Development Goals: 持続可能な開発目標)が採択されて以来、単純な経済的利益のみを追求するのではなく、ESGと称される、長期的な成長の実現のために重要となる要素を踏まえた活動が企業に求められています。日本においてもESGは注目を集めつつあります。

しかし四半期ごとにステークホルダーへの還元が求められるなど利益追求を使命とする民間企業においては、利益へのつながりが見えにくいESGを追求する活動へなかなかシフトできないという現実があります。

そのような状況変化の中、ESG Economicsストラテジーチームはどのような活動を展開しているのですか。

尾山

気候変動などの不確実なシナリオ分析を行い、それに基づく企業や政府の採るべき戦略を検討するところからスタートします。次に、売上等の財務的メリットに結び付く環境対策、従業員や消費者、地域住民の健康増進施策などを設計します。

これらは、企業が着実に成長しつつも、気候変動や健康寿命などの社会的課題も解決していける仕組みをつくる活動です。

具体的にどのような活動をされているのでしょうか。

尾山

直近では仕組みの一つとして、金融システムの変革を考えています。

例えば会計基準に長期的な視点での基準を組み込めば、経営者は自ずと「何10年も先を見据えた経営をしていかないとまずい」と危機感を持つでしょう。

もちろん国際的な会計基準がようやく浸透しつつある中で、このようなアプローチは容易ではありません。

ただ、それを変えられないという前提で社会を捉えているようでは、イノベーションが生まれることはありません。

このように我々のチームは既成概念にとらわれることなく、より良い社会づくりに貢献できるよう、日々思考実験を繰り返しています。

LTVコンセプトを用い、企業の将来ビジョンを定めるメソッドを確立する

今後の展望として、先ほどの財務指標と非財務指標をつなぐアプローチの他にどのようなことを考えていらっしゃいますか。

尾山

先ほどの課題も1年や2年で達成できることではないのですが、さらにロングタームバリュー(LTV)コンセプトの普及と、LTVを活用して企業の将来ビジョンやストーリーを策定するメソッドの確立について考えています。

環境などの非財務領域の取り組みが長期的視野に立つと、企業の長期的な成長ないし企業価値に反映されます。このメカニズムに沿って、企業に経営の変革を促すコンセプトが、LTVです。LTVのコンセプトを普及させ、これに基づいて各企業がビジョンを語れるような社会を目指しています。

これには単にLTVを知っているだけではだめで、各企業が持つ理念/パーパスや事業のコンテクストを踏まえた「Why?」を再定義した上で、ステークホルダーへの価値提供そのものを企業成長の源泉にできるような経営・事業戦略を考え抜くことが必要です。
また、これらの一連のストーリーを各企業固有のユニークなストーリーにして、腹落ち感のある形で提示しなければいけません。実際に我々もこの領域でコンサルティングしていますが、メソッド化して、あらゆる企業が自分の言葉でLTVを語れるようにしたいと考えています。

EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(EYSC)の強みはどのようなところにあるのでしょうか。

尾山

実はEYSCはLTVコンセプトの普及におけるリーディングカンパニーなんです。米国や欧州でもEYが中心となってLTVの内容検討やコンセプト普及に取り組んでおり、日本では我々のチームが中心となっています。

また、ご存じの通りEY Japanは監査系のファームであり、会計や財務について詳しいということから、金融システム改革のようなマターには強いのだと思います。

さらにESG Economicsストラテジーのメンバーは、例えば昔から日本の水素産業創造や政策立案に関与してきており、環境政策についての知見があるという点もかなりユニークです。

長期的視座からの金融システム構築だけでなく、民間企業を対象にした個別プロジェクトも対応

プロジェクトとしては、どのようなことを行っているのでしょうか。

尾山

先ほど紹介した、LTVコンセプトに基づく企業ストーリーの策定もあります。各企業がESGにまつわる自身の取り組みを世間に発信するには、ビジョンと事業の理解だけでなく、LTVコンセプトや投資家や一般の方に対する説得性についても考える必要があります。そのためコンサル力だけでなくセンスも問われます。楽しいけれども難しいプロジェクトです。

環境問題に関心がある方ウエルカム。そしてファイナンスに知見のある方に活躍の機会多し。

ESG Economicsストラテジーチームにはどのような方が向いているでしょうか。

尾山

ベーシックなところでは企業の戦略策定や事業理解なので、基本的には一般のコンサルタントと変わりません。中途入社については、自身のケイパビリティと我々の活動のシナジーがどのように出せそうかを考えて、意欲的に活動に参画してくださる方を歓迎します。