EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(EYSC)

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顧客体験
Customer Experience Transformation

トップライン向上をミッションに、
クライアントの伴走者として顧客と社員の双方の体験を変革、
これにより持続的な成長を実現

カスタマーエクスペリエンス・トランスフォーメーションリーダー
パートナー
吉本 司

カスタマーエクスペリエンス・トランスフォーメーション(CXT)ユニットは、顧客と社員の体験を変えていくことで、クライアント企業のトップライン向上に貢献していくことを目指すユニットです。消費者の行動変容を受けて、クライアント企業に対してどのように価値を提供しているのでしょうか。CXTユニットの取り組みと求めている人材像について、リーダーの吉本司パートナーに聞きました。

カスタマーエクスペリエンス(以下、CX)のトランスフォーメーションを進めるにあたって、社会的な背景をどのように認識しているか教えてください。

私たちの目的は顧客満足度、つまりCXを向上させながら、最終的にはトップライン(売上)の向上に貢献していくことです。CXを向上させるためには、企業と顧客がどのようなタッチポイントでコミュニケーションをとっているか?そのコンテンツは何か?を検討する必要があります。この検討の前提としていくつかの社会的な背景を捉える必要があります。
1つ目は人口動態の加速度的な変化。ご存じの通り日本の人口は明らかに減っており、顧客の母数が爆発的に増えていくことはないでしょう。また高齢化、労働人口の減少などもさらに進んでいくのはご存じの通りです。
2つ目はデジタライゼーションの流れです。消費者や企業の購買担当者がSNSをはじめとするさまざまなメディアから情報を取得できるようになったことで、クライアント企業が一方的に発信するメッセージよりも、圧倒的に広範囲かつ深い情報を顧客側が持つようになり、インフォメーションパワーの逆転が起きています。つまり従来のように大量のメディアや営業担当を投入して企業が顧客をコントロールするパワーは著しく低下しています。
前述の労働人口の変化などを受けて大量の優秀な営業担当を雇用・投入すること自体も難しくなっている事実もあります。

これらの社会的な背景に対して、CXTユニットはどのような考えをお持ちでしょうか?

クライアント企業と顧客の接点が変わろうとしており、企業もそれに対応していく必要があると考えています。これまで企業は、モノを売るためにマーケティングやセールスに力を入れており、売った後のアフターセールスや、顧客相談窓口、コンタクトセンターといった領域は優先順位としては劣後していました。しかし前述の環境変化を踏まえると、売ろうとする行為、つまりマーケティングや営業のみにフォーカスしてトップラインを上げることは難しくなってきています。企業はデジタルの力で現場の効率化を進めながら、かつ品質を維持する方向にシフトし、その分の経営資源を購入後のフェーズ、すなわち顧客とのつながりを強化していくことに回すべきだと提案しています。
クライアントもこの状況について理解を示し始めている一方で、日本企業特有の過去からの慣習もありシフトチェンジが進んでいないのが実情です。というのも日本には「チーフカスタマーオフィサー」「チーフレベニューオフィサー」という概念がまだ十分に定着しておらず、マーケティング部や営業、カスタマーサポート部と管轄が分かれて、CXを企業内で部署横断的には管理ができていません。クライアントの内部に入って、この状況をつまびらかにし、横通しの改革を進めていくことが私たちの役割であると捉えています。

加えて、顧客の満足・体験を向上させる役割を担う企業内の社員のエクスペリエンスを高めていくことも大事です。社員が日々の生活や会社に満足していない状況では、サービスを高い品質で持続的に提供することは難しい。顧客と社員の体験の両方が高まっている状況となりようやく、CX・トップラインを中長期に渡り実現することが可能です。

具体的にはどういったソリューションを提案しているのでしょうか。

代表的なソリューションを2つ申し上げると、1つはクライアントがソリューション営業、課題解決型の営業を実現していくためのコンサルティングです。
長らくモノ売りで成長してきた企業に対して、業界課題と自社アセットを組み合わせた課題解決型営業のソリューションを開発します。これをクライアントと共に顧客に提案し、受注までつなげるという「sell with」の体制で取り組んでいます。

もう一つ、最近増えている相談が、新規事業・サービスの創出についてです。トップライン向上を目指す上で新しいビジネスを検討する企業が非常に多い中で、アイディエーションから事業計画の策定、あるいはすでに動き出した新規事業プロジェクトの診断から改善施策の検討・推進まで、新規事業創出の伴走者としてコンサルティングをしています。

「sell with」や「伴走」とったワードがとても印象的です。

コンサルタントとして、クライアントに対して構想や戦略をまとめた紙の提案書のかたまり、通称「紙爆弾」を届けて終わりではなく、しっかりとエンドツーエンドで実現するところまで、伴走しながらサポートしていくデリバリーユニットでありたいと考えています。
戦略コンサルも含めさまざまなコンサルティングファームが「伸びます」「勝ちます」「成長します」という言葉とともに日本企業に対して多くの提案書・成果物を作成してきました。しかし、結果としてこの失われた30年の日本企業の凋落ぶりです。営業改革の指南書を置いてきたところで、今まで改革を実行したことがない方に取り入れてもらうには限界があったと思います。
だからこそクライアントのトップライン向上の“実現まで”コミットする必要があります。クライアントの顧客とのディスカッションに私たちも参加する、顧客先に同行して提案を行う、チェンジマネジメントのeラーニングを作って終わりではなく、最後まで一緒にやり遂げてようやくクライアントに改革を移植できるのではないでしょうか。
高い品質の構想策定に加えてオペレーション上の伴走も最後までできるメンバーがそろっていることが、私たちCXTユニットの強みです。

現在活躍している人材の特徴と、求める人材像について教えてください。

コンサルティングファームで同じようなCXやマーケティング系のチームにいた方は活躍されています。また、事業会社出身の方でもマーケティングやコンタクトセンターを実業務として経験していることに加えて、その部署を整備するための改革、例えばオペレーションやKPIの整備、システムの導入を現場のリーダーや中心メンバーとして進めた方は活躍している傾向にあります。
EYでは、ほとんどのプロジェクトをCXTユニットだけで閉じずに、ファイナンスユニットやサプライチェーンユニット、リスクユニットなど他のユニットとクロスアサインしながら、案件に対してのベストなプロジェクトチームを構築して進めています。USやEU、APACともクロスアサインに加えて定期的にソリューションの検討や情報交換をしています。
このクロスアサインを当たり前とするEYのオペレーションモデルやカルチャーは、EYの独自性であり、強みです。その環境で活躍するには、クロスアサインチームを構成するCXTの代表としてCX領域に対する専門性が当然必要になってきます。加えて、将来的にはCX領域の専門性に加えて、得意とする業界を1・2つ持つことで、ビジネスを作れる=チームを作れるコンサルタントになることを目指していきます。

求める人材像は、前述の素養がある方。それに加えて、自分自身、クライアント、一緒に働く仲間、そして家族に対して「誠実」な方です。誠実さが考え方や言動の根幹にあると、すべてに対して好循環が生まれます。誠実であれば、クライアントや仲間のためにおのずと自分を高めておこうとしますし、分からないことを放置したり、タスクに対して手を抜いたりすることはないはずです。
クライアントのトップラインを上げることは決して簡単ではなく、相手も相当な思い入れを持って取り組んでいます。その方たちに対して中途半端な気持ちで臨んでも、話していてすぐに見抜かれてしまうでしょう。クライアントとともに「トップラインを向上する」「日本企業を強くする」という誠実で、熱い想いを持っている方と一緒に働きたいです。