EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(EYSC)

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外部顧問紹介
Advisors Message

クライアントニーズへの対応を強化していくため、2021年6月18日付で元 日本航空株式会社 常勤監査役の鈴鹿靖史氏、並びに7月1日付で椎名茂氏が外部顧問に就任

外部顧問
元 日本航空株式会社 常勤監査役
鈴鹿 靖史 氏

外部顧問
椎名 茂 氏

EYへ応募される皆様に向けたテクノロジーコンサルティングの両顧問からのメッセージをご覧ください

成長機会にあふれるSAPプロジェクト。変革も加速

外部顧問鈴鹿 靖史 氏

EYストラテジー・アンド・コンサルティング(以下EYSC)は2021年6月、元日本航空(JAL)常勤監査役の鈴鹿靖史氏を外部顧問に迎えました。日本航空整備企画室部長時代に航空機の整備管理業務へのSAP導入プロジェクトをけん引し、SAPユーザー会「ジャパンSAPユーザーグループ(JSUG)」の会長として、多くの企業経営者とデジタル技術の活用に取り組んできた経験を生かし、EYSCではコンサルタントとクライアントの橋渡し役を担っています。

企業の事情を理解し長期的な視点で助言

鈴鹿さんはJSUGの会長を2015年から19年まで務めるなど、SAP導入に多くの知見をお持ちです。EYの外部顧問としてどういった活動をされていますか。

鈴鹿

EYのテクノロジーコンサルティングが支援しているクライアントの課題をお聞きして、助言を行っています。JALでSAP導入プロジェクトの責任者に任じられ、その後はSAPの日本のユーザー会であるJSUGの常任理事、会長、相談役を足掛け7年務めました。企業の事情や悩みはよく分かるので、寄り添いつつも、長期的な視点に立って時には耳の痛いことも言っています。
EYと企業のCXOをつなぐことも多く、テクノロジーコンサルティングだけでなくセクターのコンサルタントともさまざまな会社を訪問しています。

EY Japanのテクノロジーコンサルティングは歴史が浅いながら急成長を遂げているのですが、勢いを感じることはありますか。

鈴鹿

私がJSUGの会長をしていた頃はEYがSAPを手掛けているというイメージはなかったのですが、最近は業界の中で存在感が高まっているのを感じます。
SAP導入に関するご相談も絶えず、そのために人材を積極的に募集しているという状況です。ビジネスは絶好調のようですが、品質は落とさないでほしいとEYのリーダーに話しています。

基幹システム導入にあたって、コンサルタントはどのような役割を求められているのでしょうか。

鈴鹿

かつては企業がシステム導入のために要件定義書を作成し、ベンダーがその通りにシステムを構築していたのですが、大企業の業務が複雑化したことを背景に、1990年代から2000年代にかけてパッケージシステムを導入する流れが起きました。SAPは世界で最も使われている汎用(はんよう)システムで、経理、マーケティング、流通、製造などさまざまな業務の効率化に力を発揮するのですが、企業側にノウハウがないので、導入や保守運用を支援するコンサルタントが必要とされるようになりました。
当時「世界最大級」と言われたJALの整備部門でのSAP導入プロジェクトは、最大時には500名を超える体制で取り組んでいました。

世界最大級のプロジェクト 成功の裏にコンサルの存在

今は1990年~2000年代にSAPを導入した企業のシステム更新需要が高まっています。鈴鹿さんは2000年代からさまざまな立場でSAPに関わり続けていますが、変化を感じることはありますか。

鈴鹿

大企業が一斉にSAPを導入した時期の主力製品だったSAP(R/3)の保守期限が近づき、S/4HANAへの更新やクラウドへの移行、新たにS/4HANAを導入するといった需要のピークがこの数年続いています。
2000年代のプロジェクトは企業側が自社の業務に合わせて膨大なカスタマイズを要求し、コンサルタントが言われた通りに進めていました。コンサルタントにとってもカスタマイズの開発は売り上げになるし、WinWinだったわけです。
しかしカスタマイズを増やした結果、プロジェクトが長期化するだけでなく、稼働後のバージョンアップへの対応や維持管理の作業にもコストがかかるようになりました。新しいバージョンが出ても対応するのが大変であるため旧バージョンを使い続ける企業も出てきました。
業務変革のためにSAPを導入したのに、業務は変わらず余計にコストがかかった上に担当者が疲弊したら本末転倒です。だからこの数年はカスタマイズを極力減らし、標準製品をできるだけ短期間で導入しようとする企業が増えてきました。非常に良いことだと思いますが、ただ、それは言うほど簡単なことではないのです。

鈴鹿さんが率いたJAL整備部門のSAP導入プロジェクトは、カスタマイズを当時としては大幅に減らしました。相当な苦労があったのですね。

鈴鹿

当時は数千が当たり前だったカスタマイズを約260にまで抑えました。
コンサルタントのプロジェクトマネジャーがとにかく頑固で(笑)、カスタマイズの必要性について毎日議論しました。私は現場側の代表なのでカスタマイズも仕方ないかと思うときがありましたが、彼が妥協せずに徹底して詰めてくるので正直疲れました。けれどプロの立場でJALのことを真剣に考えてくれているのが分かったので、信頼関係はより一層強化されたと思います。カスタマイズを当時としては最小限に抑えられたのも彼がいたからです。
長期的観点からは標準システムを導入した方がいいのですが、現場は今の業務を変えたくないので業務に合わせたシステムにしてほしい、つまりカスタマイズしてほしいという声がどうしても出てきます。IT部門も現場の声をむげにはできません。だからこそコンサルタントにはユーザーの意識改革を主導する役割が求められているのです。

企業だけでなくコンサルも変革を

企業だけでなくコンサルタントも変化に対応し、あるべき姿を考え抜かなければいけないですね。

鈴鹿

クライアントに言われるままカスタマイズを開発するコンサルタントは時代遅れですし、SAPコンサルタントにつきまとう「長期間縛られる仕事」というイメージを、コンサルタント自身が変えていってほしいです。
JAL整備部門のプロジェクトは、稼働まで5年を要しました。世界最大級であることを考えると決して長くはありませんでしたが、変化が速い今の世界では5年もかかると稼働する頃にはもう古いシステムになっているかもしれません。人事異動で人も替わってしまいます。だから1年程度で標準機能で導入するのが企業にとっては理想的だと思います。
そもそも業務を標準化(グローバルスタンダード化)するためにパッケージソフトを購入しているのだから、そこにかける資源は最小限にして、企業は自社の競争力を発揮できる部分にこそ資源を集中するべきです。
企業側もそのことは十分に認識しているのですが、実際にやろうとすると簡単ではない。だからコンサルタントは長期的な視点に立って企業をサポートしてほしい。
クライアントを怒らせたら自身の評価が下がるかもと心配になるかもしれませんが、そこを超えられる信頼関係をつくってほしいです。

鈴鹿さんから見て、SAPの仕事から得られるものは何でしょうか。

鈴鹿

基幹システムは業務に直結したシステムなので、流通や製造がどういう仕組みで動いてるかなど業務の根幹から学べますし、企業のCXOと議論する機会も多いです。私も多くのコンサルタントと接してきましたが、SAPの知識ではそれほど差があるわけではなく、最も重要なのは人間性や仕事の推進力にあると感じます。カスタマイズの話1つとっても、人間関係の構築や落としどころの見つけ方など、どんな仕事にも生かせるスキルが身につくことが分かると思います。
生成AIなど新しい技術がトレンドではありますが、企業のDXを支援していく上では、基幹システムであるSAPプロジェクトを一通り仕上げることで、幅広い学びが得られ大きく成長できるのは間違いありません。

EYの外部顧問に就任して、懐かしい再会もあったそうですね。

鈴鹿

JALのプロジェクトで一緒だった外国人メンバーのうち2人が現在EYの海外拠点に在籍していて、私が顧問に就任したことを知りすぐに声を掛けてくれました。これもSAPで得られた縁だと感じました。特にEYはグローバルにネットワークを持っていることから、海外で展開している日本企業のSAPプロジェクトを支援することが多いです。グローバルな仕事で活躍したいという人には、非常に刺激的で機会にあふれた環境だと思います。

勢いのあるコンサルファーム、人を引き付ける組織の仕組み

外部顧問椎名 茂 氏

EYストラテジー・アンド・コンサルティング(以下EYSC)は2021年7月椎名茂氏を外部顧問に迎えました。人工知能(AI)の研究者から30代前半でコンサルタントに転身し、テクノロジーによる企業変革を推進してきた椎名氏に、これまでのキャリアやEYの印象、テクノロジーコンサルティングが目指すべき方向性などをうかがいました。

研究者からコンサルタント、経営者に

椎名さんは大学院を卒業後、AI分野の研究者を経てコンサルタントに転身しました。

椎名

米国の大学院でAIを学び、大手電機メーカーに就職して中央研究所でAIの社会実装を考える研究を行っていました。
私の専門は「計画型AI」と言い、学校の時間割や電車のダイヤなど人間がやるとかなり労力がかかる作業の自動化を目指すもので、有望市場だと目を付けたのが製造業の生産計画です。企業ニーズに合ったシステムを開発するために、さまざまな工場を訪問し理解を深めました。しかしそこで、壁にぶつかったのです。
生産計画を一生懸命作っても、そのベースにある販売計画がしっかりしていないと意味がなく、販売計画が頻繁に変わる企業では、工場側もそれを見越して適当に生産計画を作っていました。それで企業側に「生産計画を自動化するなら販売計画の策定から見直さないと」と提案すると、「その辺の改革はコンサルタントに任せているから、あなたはシステムづくりに注力してください」というようなことを言われて……。

それがコンサルティング業界との接点になったのですね。

椎名

システムを表面的に入れても業務改革の効果は薄く、根本的なところを見直さないといけないのですが、立場を変えないとそこに関われない。そう考えてコンサルティング業界に転職しました。当時入った会社では、どんなサービスをつくって、何を売るかを考えるというゼロから始めなければならず、自分にとって大きな財産になりました。当時若手だった私がサプライチェーンの専門家として大企業の社長や副社長と毎週ミーティングをしていました。大変でしたが、大きなプロジェクトを自分で回す面白さ、醍醐味(だいごみ)を味わいました。

グローバル展開する大手コンサルティングファームの日本での経営に携わってきましたが、2020年に退任し起業しました。何がきっかけだったのでしょう。

椎名

2010年前後にAIブームが来たときは、研究者としてAIの可能性だけでなく難しさも知っていたから心が躍らなかったのですが、ブロックチェーンが出てきたとき、これはインターネットのパラダイムシフトが起きると感じました。ただ、ブロックチェーン技術の応用である暗号資産やNFT(非代替性トークン)は投機性が高いためコンサルティングファームの多くは距離を置いていました。私自身は非常に関心があり、面白いことをしたいと思って、独立に踏み切りました。
現在は生成AIやWeb3のビジネス戦略をつくる会社を経営しています。

次世代技術に強いEY

外部顧問としてEYにはどのような関わり方をしていますか。

椎名

技術的ディスカッションや提案のサポートを行っています。他には教育研修の登壇講師やEYの外部向けセミナーの講師を務めることもあります。
私はAIのバックグラウンドが強いので、テクノロジーコンサルティングのデジタル・イノベーションユニット(DI)のAIやWeb3の戦略をサポートすることが多いです。

次世代技術を手掛けるDIはEYにとって注力分野ですが、どう見ていますか。

椎名

AIは実装しないと検証ができないので、実装までの上流を支援するコンサルタントには本来は向いていない領域です。そもそも先が見通しにくい次世代技術はコンサルティングファームにとって扱いにくい。ただ、EYのDIはそのコンサルタントに向いていない領域で変革を起こせる可能性があると思っています。

それはどのような点でしょうか。

椎名

一例を挙げると、ユニットを率いるパートナーは自分でコードが書けて実験もできるんです。コードを書いてテストプログラムを書けるコンサルタントはなかなかおらず、クライアントと深い話もできます。EYはグローバルでは先進技術に強いイメージがあり、グローバルと連携できるのも強みです。

スタッフの急増が意味すること

外部顧問としてEYにどういう印象を持っていますか。

椎名

印象というより事実なのですが、EYはこの数年でスタッフ数がかなり増えていますよね。これが何を意味するかというと、採用力があるのはもちろん、育成の体制が充実し、優秀な人材の知的満足度を満たす機会が提供されているということです。
コンサルティングファームは人が売り上げをつくるので、人が増えることが極めて重要なのですが、そのためには良い仕事も必要で、仕事も順調に獲得できているのでしょう。つまり営業、採用、仕事の難易度のバランスが良く、好循環を生み出しているのだと思います。
私は外部から見ている立場なので推測ではありますが、カルチャーも良いのでしょうね。

今の勢いを維持し、さらに成長していくための提言はありますか。

椎名

先端技術とコンサルティングファームの関係は難しくて、技術を提供するベンダーと競合しますし、目先の大きな利益をつくるわけではない一方で、そこに取り組んで知見を高め、先取りして発信し続けることが差別化のためにとても重要です。
総合系コンサルティングファームのEYは監査やビジネスコンサルティングにも先端技術に詳しい人材がいるので、とがった人材を集めた研究所をつくったらどうでしょうか。DIはAIとブロックチェーンを中心にビジネスを展開していますが宇宙、量子コンピューティング、AR/VR、SDV、フィンテックなど有望技術に関する相談を幅広く受けられる組織があると、クライアントにとっても分かりやすいと思います。
また、コンサルティングファームは大手企業のクライアントが多いので、HRテックのような大手の経営課題を解決する技術を深掘りしていくのも価値があるのではないでしょうか。