マイクロソフト
Microsoft
マイクロソフト軸に支援、他ユニットとも積極的に協業
マイクロソフト(MS)ユニットは、業界で高い信頼を得るEYの経験およびビジネスにおける創意工夫と、マイクロソフトの革新的なクラウドソリューションを組み合わせることによって、デジタル時代に適したIT、組織・人、プロセスの変革をもたらし、企業がビジネスや社会の課題を広く解決できるよう支援します。
Ikuko
Shunsuke
他の製品排除せずクライアント支援
こちらのユニットは、文字通りマイクロソフトに特化しているのでしょうか。
マイクロソフトのソリューションを使い、テクノロジーにフォーカスしたコンサルティングを行うユニットですが、クライアントの要望によっては他の製品が入ってくることもあり、マイクロソフトだけに閉じたものでもありません。
ユニットには「Dynamics」「Cloud Infrastructure and Security」「Corporate DX」の3つのチームがあります。
DynamicsチームはMicrosoft Dynamics365という基幹システムのクラウドサービスを用いた、変革を支援するチームで、企画からシステム導入前の準備、実際の構築、稼働後まで一気通貫で支援しています。
私はCorporateDXに所属し、直近では2つのプロジェクトに関わっています。一つはマイクロソフトのVivaという製品を使い、従業員のエンゲージメントの改善を支援するプロジェクトです。従業員の働き方 (例: 会議の長さや参加人数、上司との1on1ミーティングの頻度など)についてデータをもとに可視化し、働き方とエンゲージメントのスコアをひもづけて、エンゲージメントの高い働き方をつくる支援を行っています。
もう一つはサステナビリティのエリアで、企業活動による環境への負荷やその削減効果を計測・可視化するためのプラットフォームを構築し、近年ますます注目が高まっている、企業のサステナビリティ情報開示の支援をすることと、プラットフォーム上に集約したデータを経営に生かしていく基盤を作るプロジェクトです。
Cloud Infrastructure and Securityは所属しているShunsukeさんに説明してもらいましょう。
Cloud Infrastructure and Securityはマイクロソフトのソリューションをコアに、インフラのクラウド化や、クラウド活用に伴うセキュリティ対策を支援しています。
私は金融保険業界のクライアント向けに、グループ全体で環境を把握することから始まり、サイバーリスクに照らし合わせた対策を検討しています。
EYのサイバーセキュリティユニットと一緒に取り組んでおり、私はマイクロソフトのソリューションを軸に対応を考える役割です。
ユニットのメンバーは前職でマイクロソフトのソリューションに携わった人ばかりでしょうか。
基本的にはマイクロソフトのソリューションを使ってきた人やスキルセットがある人ですが、前職では手掛けていない人もいます。いずれにしろ、マイクロソフトを中心にテクノロジーに関わっていく前提で入社していただいています。
私は前職が独立系のSIerでしたが、マイクロソフトのパートナー企業だったので、さまざまなソリューションを扱ってきました。後半はセキュリティ製品の導入の提案や運用を手掛けていたので、EYではその経験を軸に、サイバーセキュリティの知見を身に着けながら対応しているところです。
上のレイヤーから関わるため転職活動
Shunsukeさんは2023年の6月にEYに転職されたそうですね。どういう理由でしょうか。
前職でもクライアントへの提案から運用支援まで比較的自由にやらせてもらって、大きな不満はありませんでした。ただ、私が経験した範囲では他のコンサルティングファームがクライアントの環境や課題を検討し、マイクロソフトでやりたいという方向性がある程度決まってから仕事のお話を伺うことが多く、もう少し上の課題を整理するところから二人三脚でやっていきたいという思いが強くなりました。
前職で7、8年経験し仕事で信頼を得られるようになりましたが、30歳の節目を迎え、他の会社に行ったときに個人の力でどれだけできるのかチャレンジしたいと考えました。
どのように転職活動をしましたか。
気の合ったエージェントに自分の要望を伝えたところ、ビッグ4を中心としたコンサルティングファームを勧められ、3、4社面接を受けました。面接が和やかに進行し相性の良さを感じたのはEYの他にももう一社ありました。
EYは最終面接がパートナーだったので、その人の記事などを確認し準備して臨んだのですが、オンライン面接のときにシステム障害が発生して、画面は映らず音声も途切れ途切れで面談らしい面談はできませんでした。起きている障害についてはかなり話をして、「こうしたらいいですよ」とか、「なるほど」といったやり取りがあり、おかげで緊張しませんでした。
その時に、「他の機会にもう一度面談をしよう」と提案をいただき、私が気になっていることを話せる場を設けようとされていたので、ちゃんと話を聞いて目線を合わせてくれる会社でいいなと思いました。
もう一社、良い印象を持った会社もあったのですよね。
はい。マイクロソフトに強いコンサルティングファームでしたが、私が入るロールが前職と似ていて、もっと上のレイヤーから入りたいと転職活動を始めたので、最終的にEYに決めました。
面接のときに「マイクロソフトを軸としながら横のスキルを伸ばしていける」と説明された点も、魅力に感じました。
Ikukoさんは2022年の10月入社ですが、どのような経緯でしょう。
私は外資系クラウドサービスプロバイダーから転職しました。
前職ではマイクロソフト製品に関するテクニカルサポート、技術営業、製品開発部門など技術系の仕事を幅広く経験しました。定期的に異動をしたので飽きることもなく、転職したいと強くは思っていませんでした。ただ、マイクロソフトのパートナーの立場の企業で働いてみたいとは漠然と考えていました。
実は前職で同じチームにいた同僚がEY (UK) と仕事をしており、チームの会議でEYの取り組みについてよく聞いていました。クライアントに対してのみならず、社内においてもマイクロソフトの活用に積極的で、スピーディに展開するという良い印象を持っていました。
そんな時、前職の同僚でEYに転職した人からマイクロソフトユニットで新しいチームを立ち上げるから一緒に働かないかと声を掛けられました。そのチームが今所属しているCorporate DXです。立ち上げるタイミングで面白そうだと思い、また、私のスキルセットがぴったり合うと考え転職しました。
コンサルのイメージと違った働き方
実際に入社してみて、事前の印象と変わったところはありますか。
組織を超えたコラボレーションが多く、いい意味で驚きました。一つの提案を作るにしても、さまざまな専門性を持つ人が集まって議論しながらつくるのが新鮮で、楽しいです。
サステナビリティエリアのプロジェクトでは、私はテクノロジーの部分を支援していますが、EYはかなり前からサステナビリティ関連の支援を手掛けており、戦略や経営というビジネス側からコンサルティングを行う専門組織もあります。お互いの知見をかけ合わせたり、助言しあうことが非常に多く、クライアントにより質の高い支援ができるだけでなく、私にとってもすばらしい機会だと感じています。
私もプロジェクトでサイバーセキュリティユニットと協業していますし、マイクロソフトをコアにしながら幅広いスキルを身に着けられる点は、入社前に期待していた通りです。
若手でも重要な会議に参加でき方針が決まる過程を知っているので、プロジェクトで現場に入っているときでもその方針を念頭に柔軟に判断でき、パートナーに提案することもあります。
イメージとかなり違ったのは働き方ですね。コンサルタントは激務の印象があり私も心の準備はして入社したのですが、基本リモートワークで朝は子どもを保育園に送って業務開始したり、夜ご飯は家族で一緒の時間を過ごせたり。また例えば今のプロジェクトでも臨時対応で、作業が深夜帯にかかっていそうなときでも、パートナーがクライアントの責任者と協議して区切りをつけるなど、上位リーダークラスの人たちが現場に負担がかからないよう動いてくれます。
そういう配慮をしてもらいながら現場のリーダーもできているので、コンサルタントでもそういう働き方ができるのは、意外でした。
働き方で言えば、ユニットのメンバーはこの1年半で1.5倍くらいに増え、まだまだ増やすつもりですが、リモートが多いので会社が承認すれば必ずしも東京にいる必要はないです。大阪に住んでいる人もいますし、入社後に鹿児島に移住した人もいます。
正解を導き出す姿勢が大事
マイクロソフトは出資しているOpen AIがChat GPTをリリースして、イノベーションの中心に返り咲きました。2人の仕事の環境に何か影響はありますか。
クライアントと話をする中で必ず話題に挙がるので注目度の高さをひしひしと感じます。生成AIは今後、世の中を大きく変えていくでしょうが、現状はクライアントも興味はあり利用していこうという意志はあるものの、全社的にすぐ導入しようという段階まで至っておらず、導入に向けた支援が必要な段階です。
そうですね。AIでどういったことができるのかという相談をいただくことは増えましたし、私が担当しているセキュリティも、AIが使われていくのは間違いないですが、クライアントの経営への具体的な落とし込みはこれからだと思います。
ユニットの中では皆、AIを使ってどういう提案ができるかは強く意識しているし、議論もしています。個人で検証に取り組んでいるメンバーもいます。
最後に、ユニットが求めている人材像をマイクロソフト以外の観点から説明してください。Shunsukeさんも自身の経験から、EYでテクノロジーコンサルタントとして仕事をする中で、意識していることを教えてください。
私は技術をカバーする立場にいるので、面接ではその人材がどういう技術を身に着けているか、技術の幅や深みといったことも含め確認しますが、テクノロジーコンサルティングはコンサルタント未経験で入社する人が多いので、コンサルタントへのマインドシフトがしっかりできるかも重視します。
コンサルタントは確固たる正解がない中で、知識を集約し、新しいことを学んできちんと整理し、クライアントに提案していく仕事です。といっても、最初から全部をカバーするのは現実的ではないので、新しい分野に抵抗感を持たず、勉強し続けていく姿勢が大事です。
前職でもプロジェクトマネージャーとしてクライアントへの提案や支援を担当していたので共通する部分も多かったのですが、EYに入社してからはコンサルタントが提供する価値を意識し、前職でやってきたことをブラッシュアップするよう心がけています。
コンサルタントとしての基本的な資料の作り方などは、入社後の研修で学ぶことができ、自分のやり方の改善点なども把握できました。
基本的には資料をしっかり作って提示するようにしていますが、資料を作り込むよりも短時間で要点を端的に説明してほしいというクライアントもいますし、その時々で正解が違うということを意識しながら進めています。
最初に提案をしてほしいというクライアントもいれば、議論しながら進めていきたいと考えるクライアントもいますが、こちらで道筋を考えて答えを持っておくことが必要です。そうしないと議論ではなく世間話になってしまいます。
領域によってはクライアントの方が詳しく、クライアントが回答を持っている場合もありますが、そこでも臆せずに、会話などから学んでキャッチアップし、役に立つ知見を提供し信頼を得ることも大事です。