デジタル・イノベーション
Digital Innovation
エンジニアからの転身、技術プラス経営者視点を
デジタル・イノベーション(DI)は、AI&データ(A&D)とデジタル・エンジニアリング(DE)という2つのユニットが統合し発足した組織で、AIやブロックチェーンといった次世代技術によって新しい付加価値を創出することを目指しています。後編ではエンジニアからコンサルタントへの転身や仕事のやりがい、ユニットの雰囲気などについて、若手コンサルタントを中心に、階層の異なる4人に語ってもらいました。
シニアコンサルタントAkino
プライベートでは、1児の母として育児に奮闘中。あらゆる便利家電を駆使し、自宅のスマートホーム化を推進することでQOLを向上させている。
シニアコンサルタントYuichiro
ディレクターShuhei
パートナーNaoto
技術力と自分の成長を追求したい
シニアコンサルタントのAkinoさんとYuichiroさんは、EYでどのようなプロジェクトに関わっているのでしょうか。
私はAI&データ(A&D)の前身であるデータ&アナリティクス(DnA)という組織ができて間もない2020年12月にEYストラテジー・アンド・コンサルティングに入社しました。当時はユニットの案件が少なく、他のユニットの応援に入ることが多かったです。徐々にデータ周りのプロジェクトに関わることが増え、最近は官公庁が提供するオープンデータのシステムをより使いやすくするためのグランドデザインや、データ分析基盤構築プロジェクトのPMOを担当しました。
2021年9月にAkinoさんと同じユニットに入り、その後デジタル・エンジニアリング(DE)の前身組織に移籍しました。前職でデータアナリティクスに携わっていたこともあり、データ利活用のためのダッシュボード開発のプロジェクトに携わることが多いです。直近では自動車メーカーの予算管理システムに関するプロジェクトの1チームをリードしています。
2人ともコンサルタント未経験でEYに転職したそうですね。
EYストラテジー・アンド・コンサルティング入社前はSIerでインフラエンジニアをしていました。データベースをはじめとしたインフラ全般の設計・運用の経験が長く、技術は好きだったのですが、運用を長くやっているうちに変化のある新しい業務にも取り組んでみたいと感じるようになり、自分の成長を求めて転職活動を始めました。
技術力を高めたいと思う一方、エンドユーザーに喜んでもらうためにビジネスの方にも入り込みたいと、決められたことをやっていくのではなく、何ができるかクライアントと一緒に考えたいと、テクノロジーコンサルティングファームを中心に応募しました。
私も似たような経緯で転職しました。前職は大手メーカーで、ソフトウェアの開発や、データサイエンスを軸にしたソリューション開発に携わりました。
Akinoさんと同様、与えられた役割をこなすということを繰り返すうちに、次第に自分のやりたいこととの乖離(かいり)を感じるようになりました。また、データサイエンティストの仕事はクライアントと密にコミュニケーションを取るという点でコンサルタントに近く、前職のアナリティクス経験も生かせると考えてコンサルタント職を中心に応募しました。
面接で得られた安心感
コンサルティングファームの中でEYストラテジー・アンド・コンサルティングに入社した決め手は何だったのでしょう。
数社を検討し、EY以外にも1社から内定をいただきました。よりコンサルタントの側面に重点をおいた働き方ができそうだと感じ、EYを選びました。
EYの面接で出会ったパートナーがエンジニア出身で、技術にとても詳しいだけでなくコンサルタントとしても経験が豊富で、「こういう人を目指したい」と思えたことも大きかったです。
私も数社応募しましたが、EYの1次面接を通じて働き方が具体的にイメージできたことが決め手でした。また、面接官がコンサルタント未経験の私に「入社後はしっかりサポートする」と言ってくれたことも大きな要因だったと思います。面接官は私が入社した後に、カウンセラーとしてサポートしてくれました。ちなみに今はShuheiさんが私のカウンセラーです。
そうそう、ブロックチェーンのプロジェクトにはYuichiroさんも入ってもらっていました。Yuichiroさんはブロックチェーン技術の経験者ではないのですが、データサイエンティストの知見を生かし、データの活用を担当しています。
Shuheiさんは大手通信事業者のエンジニア、テクノロジーコンサルティングファームでのコンサルタントを経てEYに転職しました。
前職の仕事もチャレンジングでしたし、大きなプロジェクトも任されていたのですが、体を壊すのではないかというくらいのハードワークが続いていました。私はハードワークは苦にしない方なのですが、時間的・精神的投入に見合う意味あることができているのか、ビジネスの規模以外の部分でどれだけの価値がある仕事なのかと考えることが増えました。
規模以外のビジネスの価値と意味を感じられる働き方に切り替えようと転職活動をし、パーパス(存在意義)に共感してEYストラテジー・アンド・コンサルティングに入社しました。
入社当初は混成チームに戸惑いも
実際に入社してみていかがでしたか。大変だったことはありますか。
最初のプロジェクトがとてもハードワークでした(笑)。コンサルタントの働き方も分からない状況で知見のない領域を担当することになり、キャッチアップに非常に苦労しました。
コンサルタントはハードワークが当たり前で、私は試されているのではないかと気負って、自分で自分を苦しめていたのです。前職だと自分が所属する組織の中でプロジェクトが組成され、課長なり先輩なり聞く相手が決まっていましたが、EYのプロジェクトはさまざまなチームからメンバーが集まっているため、誰に相談したらよいのか、そもそも相談してよいのか分からなかったというのもあります。
今思えば周りの人に助けを求めればよかったのですが、さじ加減がつかめていなかったため、ひたすら頑張るしかないと自分に言い聞かせていました。
私も最初は苦労しました。コンサルタントとしてのスキルも経験もない、気軽に聞いてもよいのか分からない状態でタスクを振られることもあり、働き方の面で前職とのギャップは大きかったと感じています。前職はチームがほぼ固定され、誰に聞けばいいか分からず困るという状況は比較的少なかったですね。分からないときはためらわず、誰でも捕まえて話を聞くということは当然として、自らアクションを起こして情報を獲得しに行くということを以前より強く意識するようになりました。
相談したら助言してくれますし、一緒に解決方法を考えて、必要なときにはすぐに行動を起こしてくれる点がEYの良いところだと思います。
私はコンサルティングファームはEYで3社目なのですが、業界の中でもカルチャーの違いがあり、パートナーでもカルチャーギャップに戸惑うことはありますよ(笑)。ただ、会社として働いている人を守る仕組みはあるし、周りに助けてくれる人はたくさんいると思います。無理をして抱え込まずに声を上げてくださいね。
そうですね。一番大変だったときは、チームの定期ミーティングでマネージャーが「大丈夫?」と声を掛けてくれて、タスクの分担ができないか他のメンバーに聞いてくれました。私は「自分のタスクなのだから自分でやらなければならない」と、プロジェクト外のチームの人に助けてもらえるなどとは1ミリも思っていませんでしたが、いっぱいいっぱいになっているのを察して声を掛けてもらえたことで、心から救われました。
フラットな関係の中にある厳しさ
人間関係などはどうでしょうか。
多様性が受け入れられ、自分を尊重してもらえると感じます。
私は2023年に出産して、産後2カ月で復職しました。上司には「もう少し休んだら」と言われましたが、早く職場復帰して、社会と関わりを持ちたかったのです。復職後は、子どもの送り迎えがある時間は打ち合わせを外すなどと配慮してもらっています。自分の役割を果たすことは求められますが、やることさえきちんとやっていれば柔軟な働き方が許容されており、とても助かっています。
EYは転職でジョインする人が比較的多いからか、シニアコンサルタント、コンサルタントの間では年齢や入社時期を問わず関係がフラットです。プロジェクトごとにさまざまな組織から人が集まるので、そこで横のつながりができていきます。
今のカウンセラーのShuheiさんもそうですが、マネージャー以上の方は必ずしもこの会社でのキャリア形成を前提とせず、長期的な視点で自分がどういうキャリアを歩みたいか聞いてくれ、必要な経験やスキルを助言してくれます。
Shuheiさんはユニットの雰囲気をどう感じていますか。
2点あります。まず若手が頑張っています。EYは新卒を積極的に採用していますが、みんな成長が早い。テクノロジーコンサルティングは即戦力の経験者を雇いたくなるものですが、EYは若い人材を採用し、経験豊かなメンバーと組み合わせてファームとして強くなっていこうとしているのを感じます。若手がキャッチアップしていくのを見ると楽しいですね。
2つ目は、自分と違うスキルやバックグラウンドを持つ人が身近にいます。前職のテクノロジーコンサルティングファームは大規模な案件を大人数集めて回すことが多かったので、周囲もテクノロジーの人ばかりでした。今はM&Aに詳しいとか税のスペシャリストとか、テクノロジーに関係ないメンバーと動くことが多く、彼らと一緒に次の提案を考えたり情報交換をして、大規模案件では味わえない面白さを感じています。
DEは人材を積極的に募集中とのことですが、この組織はどういう人が向いているのでしょうか。SIer出身の目線から教えてください。
NaotoさんとShuheiさんが向上心と好奇心が大事と言っていましたが、私もそう思います。もう1つ、責任感を付け加えたいです。EYは自由で風通しのよい組織ですが、結果は求められますので、無責任に「できませんでした」などということは認められません。いかに責任感を持ってタスクをやり遂げられるかというのは非常に重要だと感じます。
はい。ただ「できませんでした」というのはよくないですね。もちろんできないときもあるわけですが、なぜできなかったかを考え、どうしたらできるのかを論理的に示すことには価値があると思います。何事も無駄にせず、次につなげていくことこそがコンサルタントとしての責任であり価値です。
Slerからテクノロジーコンサルタントへの転職は珍しくないですし、テクノロジーに精通していることはもちろん強い武器になります。ただ、それだけでは十分ではなく、クライアントのトップと直接話すような機会も少なからずあるので、経営者視点を持ち、クライアントと一緒に同じ事業を運営するようなマインドを持つことが重要です。コンサルタントとしてのスキルやナレッジ、マインドを意欲的に吸収し、新しい環境に適応していく力が必要だと、エンジニアからコンサルタントに転身した当事者として感じています。
私も元エンジニアですが、Yuichiroさんが言う通り、エンジニアとして身に着けた技術を武器に、コンサルタントの考え方に切り替えるというのは重要ですね。「できません」というのではなく、どうしたらできるかを考えるというのも同意です。