データサイエンス
Data Science
軸はビジネス、課題解決のためのデータサイエンス
データサイエンスユニットは、データを基にした科学的アプローチによる問題解決と意思決定の高度化を支援しています。データサイエンスの研究レベルでの専門性を有するメンバーで構成され、クライアントと連携してビジネス上の課題を発掘し、理論に基づいた⾼度な分析から実際の業務への⽰唆・提⾔まで行っています。
Shumpei
年金領域にとどまらない広範なフィールドで、データサイエンティストとして活躍するキャリアを目指し、EYSCへの入社を決意。現在はライフサイエンス領域における統計モデル構築や行政向けの保健事業改革に向けたツール開発等を担当し、マネージャーとして関連プロジェクトをリードしている。
趣味は、高校生の時から続けているドラム演奏。最近は忙しくバンド活動はできていないが、時間があればスタジオに通い、思う存分ツインペダルを踏み込んでリフレッシュしている(疲労はむしろ蓄積している説あり)。
Wataru
趣味はデータ収集、読書、ピアノ、カラオケ、飲み会など多岐にわたるが、飽きっぽくどれも長続きしないのが悩みの種。人とおしゃべりするのが生きがいだが、一人の時間が一番好き。
フィールドを広げるために
Shumpeiさんは信託銀行からの転職、Wataruさんは総合系コンサルティングファームからの転職です。
新卒で信託銀行に就職し、アクチュアリー(※)としてキャリアをスタートさせました。入社後の数年間は平日仕事、休日は勉強の日々で、入社5年目に日本アクチュアリー会正会員の資格を取得しました。統計的手法を用いて、企業年金や退職金を従業員に支払っていくためのキャッシュフローを予測するといった業務を担当し、比較的データサイエンティストに近い仕事をしていました。
やりがいはありましたが、年金という限られた領域にとどまらず、より幅広いフィールドでデータ分析が役に立つことを実感したいと考えるようになりました。時間をかけて取得した資格を、直接生かす仕事ではないため不安もありましたが、それ以上にチャレンジしてみたいという思いが強く、2023年3月にEYに入社しました。
私は2024年5月にEYに入社しました。修士で統計モデルを研究し、学生インターンの頃からデータサイエンティストの仕事をして、新卒で総合系コンサルティングファームに就職しました。その会社はシステム導入の案件が多いため自由度が少なく、私にはしっくり来ませんでした。
当時の職場には申し訳なかったですが、1年半ほどで本当に合わないと思い、先のことを考えずに辞めました。その後3カ月ほど仕事をせず、統計学や東洋哲学の勉強に没頭していました。
それは思い切りましたね。
プロジェクトを担当すると、それで頭がいっぱいになってしまい。仕事をしながら転職活動をするのは性に合わないと思いました。自分が何をやりたいのか、一度白紙にしてゆっくり考えたかったという気持ちが大きかったです。
お二人が転職先にEYを選んだ理由を教えていただけますか。
前職を退職し、3カ月ほどして転職活動を始めました。当初はスタートアップを中心に応募していたのですが、課題やデータを多く持っているのは大企業で、そこにアプローチするならスタートアップよりコンサルティングファームだと気付きました。事業会社の業務を理解した、さまざまなバックグラウンドを持つプロフェッショナルがチームをつくって、クライアントの課題に立ち向かえる組織力が一番の強みと気付き、一周回って総合コンサルティングファームに戻りました。
いわゆるBig 4は全社受けましたが、その中でも特にEYの面接では専門知識を深掘りしつつも、それをビジネスにどう生かしていくかという対話があって、バランスの良さが伝わってきました。
コンサルティングファームと、データ分析を手掛けている事業会社を検討し、幅を広げたいなら前者だろうと早い段階でコンサルティングファームに絞りました。
Wataruさんが話したように、システム導入ありきでパッケージが決まっているコンサルティングファームもありましたが、EYはその都度クライアントの課題に向き合い、データサイエンスはあくまでツールとして使っていくという姿勢を感じ、データサイエンスを世の中に役立てていきたいという自分の思いと一致しました。
EYと比較して迷った会社はありますか。
前職のアクチュアリーとデータサイエンスの仕事を半々でできるというオファーをいただき、そちらの企業の方が即戦力になれるのではと迷いました。最後はチャレンジのために転職するという初心に返り、EYを選択しました。
ビジネスセクター、監査法人とコラボ
EYではどんなプロジェクトを担当していますか。
ライフサイエンス領域が中心です。メインのプロジェクトは製薬企業のクライアントと伴走する形で、自治体が健康診断データを基に、健康指導の対象者を効率的に抽出できるようにするための、疾病リスク予測モデルをつくろうとしています。ヘルスサイエンス・アンド・ウェルネス(HSW)、テクノロジー・ストラテジー&トランスフォーメーション(TST)といった他チームとコラボし、データサイエンスユニットはモデルの開発を担当しています。
私は三つのプロジェクトを掛け持ちしています。一つ目は、自動車業界向けの営業支援システムに関するプロジェクトです。 営業担当者のシステム活用と、販売成績の関連を示すための分析を担当しています。二つ目は、EBPM(エビデンスに基づく政策立案)に関するプロジェクトで、データに基づいて政策を立案するためのアドバイザリー業務です。三つ目は、LLMを活用した社内向けのソリューション開発です。
三つの掛け持ちは大変そうですね。
主体性を持って仕事をしたい人にとっては天国のような環境ですが、即戦力としての実力が求められるため、その点は覚悟が必要ですね。
メンバーの強みもそれぞれで、一つのプロジェクトと深く向き合うのが向いている人もいます。Wataruさんは複数の案件をスピード感持って仕上げていくのが得意なので、今のような役割になっています。
私は一つの案件で詰まってしまうと精神的にきついので。複数並行している方が多方面からヒントをもらえるし、切り替えもできるので今のやり方が合っていると感じます。 Shumpeiさんが担当しているヘルスケアのモデルは人間の健康に関するもので、間違いが許されないため、細かいところまできちっと詰めていくShumpeiさんの強みが生かされていると感じます。
データサイエンスユニットは人数が少ないので、それぞれの強みを把握して連携しながら業務を担っています。過渡期など一時的に負荷が高まる時は少し大変だったりしますが。
他ユニットとのコラボレーションが多いのですか?
ビジネスセクターのコンサルタントから、声がかかってコラボレーションすることが多いですね。データ分析のところだけ切り出して、データサイエンスユニットのプロジェクトとして取り組むこともあります。
私が担当する自治体向けのプロジェクトは、監査法人とコラボレーションしています。また、営業支援システムのプロジェクトはTSTと一緒に進めています。全体の比率で言えば、他ユニットやセクターと共同で実施するプロジェクトの方が多いです。
コンサルタントならではの「業界横断型」モデル
ユニットの雰囲気はどのような感じでしょうか。入社して日が浅いWataruさんもすっかりなじんでいる様子ですが。
人数が少ない分、連携が取りやすいのは間違いないです。前職はユニットの規模がEYの50倍あって、仕事に後付けで人をはめ込んでいく感じでした。皆さん高いスキルを持っていましたが、とがった人に出会う機会は少なかったかもしれません。
Wataruさんと私は数理専門で修士卒ですが、ユニットのメンバーの半分は博士号を持っています。基本的なスキルセットに加え、それぞれが機械学習、経済分野など専門性を持っています。その強みを掛け合わせて、うまく連携できていると感じます。ラボの雰囲気を帯びたコンサルティングのチームで、懇親会では「好きな統計モデル」の話で盛り上がったりします。
確かに「好きな確率の分布は何か」といった話は、EYのデータサイエンスユニットならではですね。私は空気を読まなくてよくなり、とても楽に過ごせています。
データサイエンティストは非常に注目されている職種ですが、企業によって求める人材像が違う印象を受けます。
おっしゃる通りです。データサイエンティストと言っても業務の内容は企業によって多種多様ですし、コンサルティングファームの中でも位置付けがそれぞれ違うように感じます。
EYは専門性を重視しつつも、テクニカルなことだけでなく、それをビジネス課題の解決のために使うというマインドセットが必要です。
事業会社とコンサルティングファームの違いですが、例えば自動車メーカーで自動車のデータをずっと見ているデータサイエンティストには、私たちは自動車業界の知見においてかなわないです。ではコンサルティングファームのデータサイエンティストの強みがどこにあるか。俯瞰(ふかん)した視点から業界横断型の課題をつかめることだと思います。「他の業界でも起きている課題」だと気付けば、モデルの横展開が可能です。
EYが求めるデータサイエンティスト像は、ビジネス×専門性ということですね。
私たちは少人数のユニットですが、その理由の一つに、ビジネスとデータサイエンティストの両方をやりたい人材がそもそも少ないというのがあります。逆に、そのような人材にはEYの環境は非常にお勧めできます。
データサイエンティストのスキルセットはビジネス力、データサイエンス力、データエンジニアリング力の三つと言われていますが、全てが完璧にできる人はそんなにいるものではありません。ただコンサルタントとしてキャリアを伸ばしたいなら、ビジネス力の部分をしっかり持った上で、サイエンスかエンジニアリングかの専門性を高めていくのが王道です。
たしかに三つのスキルが全部完璧という人はなかなかいなくて、実際は何を強みにしていくのかという考え方になります。そう言いながら私はゼネラリストを目指しているので、全てをバランスよく伸ばしていきたいです。
※アクチュアリー:主に保険・年金分野において、確率・統計等の数理的手法を活用して将来の不確実な事象を扱う専門職