EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(EYSC)

テクノロジー・ストラテジー&トランスフォーメーション
Technology Strategy & Transformation

メディア企業におけるITサーベイ策定・実行支援

グローバルにビジネスを展開する日系メディア企業であるクライアントは、グループ全体でのIT投資に対し、特に海外では想定している効果が出ておらず、基礎的な部分(連結決算作業の遅延やデータ品質が低いなど)でシステム/オペレーションの課題が発生している状況でした。

そのような状況の中、クライアント単体としては、過去3年間システム満足度調査を実施し、システム課題を中心に有力なフィードバックを得られているため、将来的には国内外のグループ全体に展開することが望ましいとクライアントのCIOは考えていました。

こうした経緯から、国内外のグループ全体への展開における始めの一歩として、本体も含めた国内の主要グループ会社におけるITに関する満足度・課題の幅広い洗い出しを目的としたITサーベイの策定および実行支援(結果レポート作成、改善施策の提示を含む)をEYが推進しました。

EYの体制とそれぞれの役割

EYからは、5名以上が参画する体制でした(関与率はメンバーやフェーズごとに異なる)。

案件の性質上、クライアントのカルチャーやシステム構成に関する深い理解が求められたため、クライアントとの関わりが長く深いメンバー、ITSMに知見のあるメンバー、同クライアントのプロジェクト経験があるメンバー、ITサーベイの実装や結果レポートを手掛けるメンバーという最適な体制でデリバリーを推進しました。

クライアントに提供したEYならではの価値

1.クライアントへの深い理解による効果的なIT サーベイの策定

TSTチームのみならず、ピープルコンサルティングやビジネスコンサルティングも含め、EYは同クライアントに対してさまざまなサービスを長きにわたり提供してきた背景があるため、クライアントのカルチャーやシステム構成に関する膨大なナレッジがたまっていました。したがって、ITサーベイ策定において、単なる汎用(はんよう)的なサーベイの設計にとどまらず、「Aという課題が想定されるため、Aの真因を探れるような質問を組み込もう」「Bというシステムはグループ全体として重要度の高いシステムであるため、バイネームで評価できるようにしよう」「回答する社員はCという性格の方が多いため、サーベイ構成を工夫しよう」など、クライアントの前提を理解した上で妥当性の高い仮説を持ったITサーベイ策定を実現できました。また、ITサーベイによって可視化された課題を単に受け止めるのではなく、クライアント理解に基づく意味のある構造化や真因分析、改善施策の提示までつなげることができました。
結果的に、過去にクライアント単体で実施した際のサーベイより質問数や対象者数が増えたにもかかわらず、クライアント単体で実施した際と同程度の有効回答率で、より質の高い回答を得ることができ、机上の空論ではない実行可能な改善施策の提示までつなげることができました。

2.「CIOアジェンダ」と「担当者レベルの課題感」の両面での深い理解

今回の案件の性質上、カウンターパートはCIOであるものの、ITサーベイの回答者はIT部門やユーザー部門の担当者・一般社員という、経営目線と担当者目線の両方の視点を併せ持つ必要がありました。われわれTSTチームは「CIO課題の解決」を最重要課題にしており、どのような案件であっても常にCIOの視点を持ってPJに取り組んでいることに加え、戦略・構想策定などの上流工程の案件だけでなく要件定義以降の実行支援も手掛けるため、担当者レベルの目線や課題感も理解しています。したがって、日々のCIOとのディスカッションでは「Why(なぜやるのか)」や「What(目的は何か)」にフォーカスした議論でCIOの意向に沿ったITサーベイ策定を進めつつ、実際のサーベイ項目は担当者レベルの社員に寄り添った筆致や内容とすることで、視点を切り替えながら柔軟にプロジェクトを推進しました。

3.PJメンバー外の他チームとのコラボレーション

ITサーベイはアンケートの一種であるため、大前提として「多くの方に回答してもらいやすく集計しやすい」アンケートであることが求められました。その中で、PJメンバーではないものの、一般消費者向けのアンケート設計などの豊富なナレッジがあるビジネスコンサルティングのメンバーにヒアリングを行い、アンケートとしてポイントとなる要点を押さえたITサーベイを設計できました。PJ内外やチームを問わず惜しみなく協力し合えるのは、「コラボレーション」のカルチャーや仕組みが浸透しているEYならではと考えています。

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