デジタル・イノベーション (AI&データ)
Digital Innovation - AI & Data
製薬企業 患者サービスプラットフォームの構想策定プロジェクト
特定疾患領域における国内トップシェアをもつ当クライアントは、受診が必要な方に対しての医療アクセスを改善する事を模索する中で、受診に繋がらない等の課題を抱えていました。適切な受診をしていただく事が自社のビジネスに直結するため、これらの課題を解消していく事が求められていました。これまでは、患者の悩みを理解し適切な支援・情報提供を行うのに必要な患者に関するデータを蓄積・利活用していく仕組みがありませんでした。また、患者が医療サービスを受ける事で経験するあらゆる接点の工程(ペイシェントジャーニー)も定義する必要がありました。
こうした背景から、本プロジェクトでは、患者が受診・治療・予防・ケアまでの在るべきペイシェントジャーニーを策定しました。その上で、患者支援戦略と、その土台となるデータ利活用と支援提供を行うサービスプラットフォームの構想策定をご支援しました。構想策定を行う上で、海外の最新事例を調査し、患者支援のトレンドを踏まえ、既存事例にないコンセプトを考案し、構想に基づいた実現性検証を実施した結果、期待以上の成果が出たため、これから本格的な開発を実施する予定です。
EYの体制とそれぞれの役割
EYの体制としては、製薬業界とAI・テクノロジー分野のプロフェッショナルをメインに、EYの海外ファームの協力も得て、少人数のプロジェクトチームを組成しました。EYはビジネス知見と技術知見の双方を持ち合わせたコンサルタントによる、領域横断型の支援を得意としており、本プロジェクトでもコラボレーションを行う事で、効率的かつ、質の高いアウトプットを出す事に成功しています。
製薬業界のプロフェッショナルは、業務と患者に対する理解の知見を生かして、ペイシェントジャーニーの策定をリードしました。AI・テクノロジー分野のプロフェッショナルは、どのようにデータを収集し、患者に還元して支援していくのかの仕組みの構想策定をリードしました。 EYの海外ファームからは、調査専門チームをアサインし、アジアおよび、北米の最新事例調査を行いました。
クライアントに提供したEYならではの価値
1.EYネットワークを生かした情報収集
EYの調査専門部隊を用いたグローバルでの事例調査とEYナレッジ・アセット参照を行いました。これらの事例とアセットを活用する事で、効率よくサービスプラットフォームのコンセプト構想を実施しました。
2.独自性のあるカスタマージャニーとサービスプラットフォーム構想の支援
一般的に、ペイシェントジャーニーは決まった型が一定ありますが、多くの場合、現状を捉えているにすぎず、上記患者課題を解決するようなベストな形になっていない事が散見されます。 これに対して、既存の疾患啓発・患者支援活動の形を変えるような独自性のあるカスタマージャニーを策定し、患者サービスプラットフォームのコンセプトを構想しました。また、AI・テクノロジーのプロフェッショナルが入る事で、プラットフォームを実現するための技術要素も考慮する事で、実現性の面も考慮しました。新たな価値コンセプトを考案する構想力がクライアントの経営層からもご評価いただき、継続的な伴走支援の獲得につながりました。
3. 広い視野と高い視座でのご支援
通常、会社単体の目線でどのような患者支援ができるのかを検討する事が多いですが、(特にプレーヤー複数いる医療分野では)1社が提供できる支援に限界がある事が多いです。さまざまな業界と関係があるEYならではの視点として、会社の枠を超えて、さまざまな企業を巻き込んだ枠組みを考案しました。 また、他企業を巻き込む事で、足元の治療アクセスのみならず、その先にある生活のQOLの観点も支援できるようなサービスプラットフォームを考案しました。高い視座での検討が求められる戦略レイヤーの支援実績を生かして、既存のペイシェントジャーニーに定義されていない領域も考慮した点がクライアントからご評価いただきました。