
公共・社会インフラ
Government and Infrastructure


地域一体的な観光地再生事業支援
コロナ禍の影響で、日本各地の観光地における宿泊施設や観光施設などの「地域の稼ぐ力」が低下しました。これを受け、観光産業の早期回復を目指し、国土交通省観光庁は「稼げる地域・稼げる産業」の実現を目標に掲げています。そのため、全国の300を超える観光地を対象に、地域の再生と高付加価値化を進める政策を打ち出しました。EYは協働企業と連携を図りながら、本事業の制度設計や地域の伴走支援を実施しました。
私たちは地域一体となった面的な観光地再生・高付加価値の実現を目指し、以下に取り組みました。
- 宿泊施設、観光施設などの改修、廃屋撤去等のハード面の取り組み
- キャッシュレス化や、シームレスな予約・決済が可能な地域サイトの構築等の観光地における面的なDX化によるソフト面の取り組み
- 複数年度にわたる自治体や観光地域づくり法人(DMO)等に対する計画的・継続的な観光地再生計画の策定と実装の支援
EYの体制とそれぞれの役割
EYは事業の根幹となる「制度設計」および地域に対する「計画策定の伴走支援」を担当しました。G&I(公共社会インフラユニット)のSocial Agendaチームを中心としたメンバーが全国に分かれ、伴走型で申請地域への支援を実施しました。
その結果、2カ年で延べ300地域の計画が採択され、令和6年度末までに日本全国の数千件の宿泊施設・観光施設のリニューアルが完了予定です。施設改修等の実現による高単価化・高収益化のみならず、伴走支援により策定された計画・地域一体となった推進枠組みに基づく、持続的な高付加価値化・稼ぐ力の底上げに貢献しました。
クライアントに提供したEYならではの価値
制度づくりと計画策定だけにとどまらない、各地域の個性や地域力学を踏まえたハンズオン型の伴走支援の実装を行いました。
- 全国を面的に伴走支援する上での制度設計や審査体制の構築を、大型事業実績が豊富な他社と連携し、手厚い支援体制を構築しました。
- 特に地域伴走支援においては観光地再生計画作成に対して遠隔的にアドバイスするのではなく、EYがこれまで志向してきた地域密着型の支援を全国観光地でも実践しました。
- また本事業の支援だけにとどまらず、自治体の観光課題を多角的に捉えながらアドバイスを実施したことで、地域が抱える他の観光課題に対しても相談の依頼が増加しました。結果的に、インバウンド事業や、オーバーツーリズム対策事業といった後続の支援事業へ面的に拡大していくことができました。
プロジェクトにおける困難点
以下の3つの性質の異なる課題に向き合いながら事業を進めるかじ取りが難易度の高いものでした。
- 過去類を見ない規模のプロジェクト運営と複数他社と連携したデリバリ体制の構築
- 今日の日本国において稼ぎの柱と位置付けられる観光産業事業の設計を行うという政策上流領域の課題対応
- 実際の観光地再生の担い手である自治体・地域関係者と協業を図るために、より踏み込んだ伴走支援を通じて地域のキーマンたちと信頼関係の構築を図る川下の課題対応との両立
日本の観光政策の本丸に携わることができるプロジェクトとして、ALL EYのチームの一体感は強固なものとなりました。

チーム紹介

公共・社会インフラ
リーダーメッセージ
