医療・医薬
Health & Life Sciences
厚生労働省における全ゲノム事業法人立ち上げ支援
EYSCは、厚生労働省から「全ゲノム解析等実行計画に係る調査、戦略構築及び事業実施準備室の運営に関する支援一式」を受託しました。このプロジェクトでは、国立高度専門医療研究センター医療研究連携推進本部(JH)と協力し、全ゲノム解析事業の具体的な計画を策定します。
厚生労働省は、令和元年12月に「全ゲノム解析等実行計画」を、令和4年9月には「全ゲノム解析等実行計画 2022」を策定しました。この計画は、質の高い医療を国民に提供するために、戦略的なデータ蓄積とそれを用いた研究・創薬の促進を目指しています。令和5年には、JH内に事業実施準備室が設置され、事業実施組織の構想策定が開始されました。現在は、令和7年度中の事業実施組織の発足に向けた具体的な事業の構築を目指しています。最終的には、がんや難病の克服を目指し、全ゲノム解析結果の早期導入や新たな個別化医療の実現を推進します。
EYの体制とそれぞれの役割
全ゲノム解析等実行計画の成功を目指し、H&LSに所属する多様な専門性を持つ人材で以下のとおりチームを編成しています。
- 全体の戦略立案とプロジェクトの方向性を指導するメンバー
- 具体的な事業策定と組織構築に注力するメンバー
- 医療・製薬・経営戦略・HRなどに精通した専門家
さらにこのプロジェクトは私たちのチームで全体をコーディネートしつつ、EYSC内の、Strategy、TC(Data Science、TST)、PeopleConsulting、G&I、EY Lawも参画しているAll EYプロジェクトです。各チームがそれぞれの専門知識とスキルを持ち寄り、連携してプロジェクトを推進しています。この協力体制により、より包括的で効果的なソリューションを提供し、全ゲノム解析等実行計画の成功に向け、厚労省の戦略の詳細化、組織・業務構想、ITシステム構築の伴走支援を行っています。
クライアントに提供したEYならではの価値
EYの強みであるグローバルネットワークと医療分野における豊富な経験を生かし、一貫した伴走支援を提供しました。
- EYは欧州をはじめとした世界数か国でもゲノム国家プロジェクトに関与しており、各国の専門家との連携を通じて得た知見を日本のプロジェクトにも生かしています。この国際的なネットワークを駆使することで、最新の研究成果やベストプラクティスを迅速に取り入れることが可能です。
- EYは医療機関、研究機関・大学、厚労省をはじめとした多様なステークホルダーとの対話を円滑に進める能力を持っています。これにより、戦略の詳細化や組織・業務構想、ITシステム構築の伴走支援を通じて、クライアントに対して一貫した高品質なサービスを提供しています。
プロジェクトにおける困難点
本プロジェクトにおける最大の困難の一つは、多様なステークホルダーとの交渉です。
医療機関、研究機関・大学、厚労省など、異なる背景や専門知識を持つ関係者が多数関与しているため、意見の調整や合意形成が非常に複雑です。それぞれのステークホルダーが持つ期待や要件を満たしつつ、プロジェクト全体の方向性を統一するためには、高度なコミュニケーション能力と調整力が求められます。また、英国との連携を図るための出張や国際的な調整も必要であり、これらの要素が複雑に絡み合う中で、プロジェクトを成功に導くための戦略的なアプローチが不可欠です。