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50年先の未来を見据えて。『カーボンZERO』の達成シナリオを描き出します。
パートナー 尾山
ストラテジックインパクトの尾山と申します。私たちのユニットでは「SDGs」「経済安全保障」「サイバーセキュリティ」「ブロックチェーン」など幅広い領域に跨がるアジェンダを掲げ、社会に対してインパクトのあるビジネスの創出を志しています。
私自身はEGSエコノミクスストラテジーをリードし、ESG課題のコンサルティングに幅広く携わってきました。ひと口にESGといっても、そのなかにさまざまなテーマが内包されていますが、やはり今、多くの企業にとって最大の関心事は「気候変動」でしょう。日本でも2020年10月、管首相が「2050年までに温室効果ガス実質ゼロ」を宣言するなど、企業にとってもカーボンニュートラルへの適合は欠かすことのできない経営課題となっています。
そこで私たちのミッションとなるのが、カーボンニュートラルに適合した「ポスト炭素経営」を実現するための包括的な戦略プランを提案することです。IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)やIEA(国際エネルギー機関)などが発表するさまざまなデータをファクトベースで読み解き、それがサプライチェーンの全体にどのようなリスクをもたらすのかを分析し、あらゆる可能性を考慮しながら複数のあり得るべき可能性を描き出していきます。
消費者や投資家をはじめとしたステークホルダーとのコラボレーションを生み出すきっかけづくりもお手伝いしていきたいですね。「この企業と関わることはカーボンニュートラルの実現につながっている」と説得力を持った形で提示することは、長期的価値(Long-term value 以下、LTV)の最大化にも資するはずです。
ESG課題を解決するためには、個々の企業を支援するだけではなく、社会全体への働きかけも重要です。「FCV(燃料電池自動車)を中心とした水素社会実現を促進する研究会」において民間側の事務局を務めるなど、各省庁とも緊密に連携体制を整えてきました。今年6月にはより多くのビジネスパーソンに気候変動への最新動向を知ってもらうために『カーボンZERO 気候変動経営』という書籍も刊行しました。こうした多層的なアプローチを通じて、社会変革を促していければと考えています。
私たちの仕事は、誰も解決したことがないような大きな課題に挑むものです。だから経営コンサルタントとしての優れたスキルを有していることは大前提として、「自分の手で世の中を変えたい」というパッションも求められます。私自身もいつか子どもたちに胸を張って語れるような仕事がしたくて、ESGをコンサルタントとしての専門分野に選びました。
EYに参画して2年となりますが、ESGという領域との親和性が非常に高いコンサルティングファームだということを、実感する毎日です。「より良い社会の構築を目指して( Building a better working world)」という理念が、全世界で働くすべてのメンバーに根付いているからこそ、グローバルでもセクター間でも、同じ目線でコラボレーションを進めていくことができる。気候変動のような長期的なアジェンダに対応するためには、個々の企業が50年先を見据える「50年経営」として存続戦略を描く必要がありますが、それもEYが掲げるLTVの最大化と重なるものです。こうしたEYならではの強みを存分に活用しながら、50年先の未来を見据えたポジティブなインパクトを社会に与えていきたいですね。
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