EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(EYSC)

 
2021.10.05
社員・プロジェクト紹介

企業ごとの課題解決から業界のルール形成まで。金融×テクノロジー×イノベーションで社会に平和を。

パートナー 青木

金融セクターでリーダーを務めている青木と申します。私たちがコンサルティングを担う金融業界は、今100年に一度の変革期を迎えています。その変革の第一のドライバーは、顧客の変化です。特に経験価値に対する顧客の期待値が劇的に向上した結果、顧客エンゲージメントの高いプラットフォーマーや異業種に、顧客エクスペリエンスのオーナシップを握られつつあります。その流れをさらに加速したのがコロナ禍です。金融業界は、対面ありきのビジネスモデルを脱却し、非対面やデジタル完結のルートを備えなければ、顧客離れは避けられない。デジタルとリアルの融合の早期実現を迫られています。

第二のドライバーはリスクの変化です。今後、エネルギー革命(水素エネルギーの台頭など)、技術革新(エマージングテクノロジーの台頭など)、自動運転、スマートシティー、TCFD、インフラの東西間の移動などにより、個人・企業に関する物理的なリスクの所在のシフトや、リスクそのものの変容がますますと進むと思われます。一方で、従来の統計学ではなく、リアルタイムのデータ分析技術を駆使すれば、それらのリスクは十分に早期発見できますし、パーソナライズされた予防策を講じることもできる。そうなれば、それ自体を新たな商品や付帯サービスとして提供することで、差別化も図れます。これも大きな変革と言えるでしょう。

第三のドライバーは、テクノロジーの急激な変化です。急速に進歩しているAI、ブロックチェーン、IoT、データアナリティクス、クラウドなどのエマージングテクノロジーをうまく活用し、マーケティング領域、販売チャネル領域、そして商品においていかに差別化を図れるかが問われています。オペレーション領域においてはいかに自動化・効率化をすすめてコストを削減できるかが各社の持続的成長のための大きな鍵となるでしょう。さらに保険会社でいうなら、例えばウェアラブルデバイスによって得られた健康データをAIが分析することで、単に病気や事故に「備える」だけではなく、病気や事故を「減らす」ことのできる保険商品やサービスも出現しつつある。SDGsやESGの観点からも、こうした社会性の高い事業へのシフトは、経営の重要なテーマとなってきています。

一方で、テクノロジーの進歩は、新たなプレイヤーの業界への参入を促しました。「フィンテック」という言葉が広く知られるようになったことからも明らかなように、実際にさまざまなスタートアップなどが金融事業へと進出しています。いずれはインターネットの大手プラットフォーマーも、金融事業へと乗り出すかもしれません。そのなかで旧来の銀行や証券会社、保険会社が生き残っていくにはどうすればいいのか。待ったなしの問いを突きつけられている状況です。

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こうした時代の変化に対応すべく、金融セクターでは金融機関の深いビジネスナレッジを持つ人材、金融の戦略領域およびDX領域において豊かな経験と知見を有する人材、エマージングテクノロジーやデータアナリティクスをはじめとしたテクノロジー領域で知識と経験を積み重ねてきた人材の増強を図っています。さらに金融業界出身者と、コンサルタント出身者をバランスよく配置することで、ビジネスの再定義をトータルでサポートしてまいります。

ヨーロッパをはじめ、海外のリージョンとの連携の緊密さも、私たちのセクターの強みの一つでしょう。私自身、ほかのコンサルティングファームで働いていたから実感としてわかるのですが、EYほどスピーディーにグローバル連携できるファームはないと思います。

個別個社の課題にアプローチするだけではなく、業界全体のルール形成にも力を注いできました。ストラテジックインパクトともコラボレーションしながら、積極的に政策提言などを行ってまいります。

私は金融業の本質とは、人生設計や企業戦略の多様な「選択肢」を提供することにあると考えています。経済活動のための資金や、人生や企業経営にたちはだかるリスクの予知と回避策を提供し、すべての人が自分らしく生きるお手伝いをしていくことで、より良い社会の構築を目指していきたい。そんな想いに共感できる人と、ともに働くことができたら幸いです。

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