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戦略からセールスまで ― ビジネスを舞台に奏でるEYのオーケストレーション型コンサルティング
ディレクター 千葉
非対面型のセールスではどうも成果が上がらない、うまい解決法はないものか──。そんな悩める営業現場の問いにズバリと斬り込む解答がありました。コロナ禍やリモートワークの弊害を言い訳に低迷する営業から脱却し、ベストプラクティスとマネジメントの標準化、および大胆な顧客接点改革を実現する鍵となる「UXデザイン」です。EYのオーケストレーション型コンサルティングが、顧客体験と従業員体験の融合を演出します。
非対面セールスで顕在化した営業職の「積年の課題」
──長引くコロナ禍の影響により、企業の営業組織ではどのような問題が起こっているのでしょうか。
ある調査によると、企業経営者の82%が経営状況が悪化している、または悪化するだろうと回答しています。その中で、営業担当者の半数以上が顧客との関係構築が難しくなったと感じているのが実状です。感染拡大防止のために非接触であることが求められ、営業先にも足を運べなくなったのですから、これはある意味で当然のようにも思えますね。
顧客との接点が制限されれば、顧客が今どういう状態にあるのか、何を求めているのかといった情報も手に入りにくくなります。これは営業職にとって極めて怖い状況です。以前なら社内で誰かに聞けば済んだことも難しくなり、顧客情報の分散化が顕著になってきました。
では、非対面のオンライン営業やインサイドセールスが肩代わりできているかというと、あまりうまくはいっていないようです。既存の顧客に対するオンライン営業がプラスαのセールスに有効だと答えた企業は10%未満だった、という統計もあります。大半の営業職が効果はない、むしろ逆効果だと捉えているわけです。マネジメントする側は、担当者がリモートでちゃんと働いているのか、顧客とうまく話ができているのか、不安を感じますよね。そんな営業活動のブラックボックス化も脅威となっています。
ですが、やはりオンライン営業は難しいね、などと納得してはいけません。はっきり申し上げて、営業活動がうまくいかないのは、オンラインの弊害でも、コロナの悪影響でもありません。もともとできていなかったことが、コロナ禍で一気に顕在化しただけと言えます。
──営業職や営業組織が抱えている課題は今も以前も根本的に変わらない、ということでしょうか。
そう思っていただいていいでしょう。どうすれば顧客のニーズを的確に掴めるのか、説得力のある理由をもってアポが取れるのか、どのように相手の興味を引き出し、商談を組み立て、クロージングへと話を進めるのか。こうした現場の悩みは昔から変わらずにあるものですし、コロナ禍前の調査によっても、多くの営業職がそこに苦手意識を持つことがわかっています。
ただこれまでは、ザイオンスの法則(単純接触効果)といいますが、会えば会うほど相手に好感を持つようになる効果にも助けられて、なんとなくうまく話がまとまっていた場合も多かったのだと思います。ところが、非対面で相手の情報もよくわからないとなったとき、その苦手な部分の重要性がより重みを持って迫ってきたというのが真相でしょう。
ハイパフォーマーの営業力を標準化する「ワークログ」
──そうしますと、営業改善のための対策も以前と同様ということになりますか。
今も昔も大切なのは、顧客との接点づくりです。マーケティング、営業、アフターセールスといった複数の顧客接点がありますが、多くの企業では往々にしてこれらが個別最適化されて独立し、それぞれの情報も統合されていないのが実態です。これをつないで一貫した顧客体験、カスタマージャーニーをデザインし、それに即した業務プロセスを再構築しなければなりません。
ベストプラクティスの標準化も大切です。要は成績の良いハイパフォーマーの営業手法を分析し、成功例や失敗例から一定の方法論を導き出して共有すればいいわけで、昔からある常套手段の一つです。CRM(顧客管理システム)やSFA(営業支援システム)もそうした業務標準化のツールであり、目新しいものではありません。
しかしだからといって、今までと同じでいいわけではありません。実際、CRMやSFAを導入した企業の5割以上が、その後うまく定着していないともいわれています。その根底に、導入すればうまくいく、技術に頼れば解決する、そんな誤解があるのは否めません。よく見られる過ちは、営業現場を管理するマネージャーがCRM/SFAの分析ダッシュボードを十分に活用せずに意思決定をする一方、部下には分析レポートなどの資料作成を過剰に課し、結果的に労働生産性が損なわれるという弊害です。これでは本末転倒ですね。
──コンサルタントとして、どのような解決策を提案されますか。
今と昔で大きく違うのは、進化したテクノロジーの力です。最新技術を何のために、どのように使うのかで命運が分かれます。例えば、営業職の行動ログ、すなわちワークログの活用です。オンライン商談の音声データを解析し、会話のテンポやスピード、声のトーン、コミュニケーションの取り方、受け答えなどから、双方の心理状態も含めて営業実態を可視化することが、今の技術で可能となっています。それらをハイパフォーマーの分析や成功要因の抽出に生かすなどすれば、ベストプラクティスの標準化を以前より格段に速く、的確に実現できるでしょう。
これまでのCRM/SFAの分析情報は、いわば商談結果の集積でした。それに対してワークログの情報は、結果をもたらす前の先行指標となるデータといえます。つまり、営業過程における対話や応答、働きかけ、反応といった行動プロセスの逐一が、どのように受注や成約に結びつくかを判定する貴重な指標になるわけです。
自らのワークログをもとに商談日程を決め、顧客とのトークを振り返り、ある種の癖を修正しながら、ラポールと呼ばれる信頼関係を構築する。そんな時代がもうすぐそこまで来ています。
「UXデザイン」でマネジメントの「型」をつくる
実はこうしたテクノロジーは、ベストプラクティスによる現場の標準化もさることながら、マネジメントの標準化にこそ生かして意味があると私は考えています。先ほどのCRM/SFAの例にも見られるように、営業成績を上げるための優れた仕組みが完成しても、それをコントロールすべきマネージャーの流儀がまちまちでは十分に機能しないからです。
今こそ求められているのは、マネージャーの行動変革であり、マネジメントの「型」を定めることです。歌舞伎でもしっかりと型を身につけてから独自の特徴を出すからこそ、「型破り」として評価されるのです。マネジメントも同じ。ワークログなどの客観的データに基づき現場に適切な指示を出すという部分は、ある程度は型化していいはずです。
──具体的には、どのようにして型をつくればいいのでしょう。
今、我々が重視しているのは「UXデザイン」です。UX(User Experience)は語義からすれば顧客体験(CX:Customer Experience)と同じようにも見えますが、そうではありません。CXとEX(Employee Experience)、つまり顧客体験と従業員体験の交点にあるのがUXであり、両方を同時に設計して初めて、成果の期待できる体験価値が得られるのだと考えています。
例えば、CX重視の観点でECサイトを構築したとして、そこを訪れたお客様が狙いどおりに良い体験をしてくれるとしても、その裏側で従業員が理不尽な作業に忙殺されているとしたら、その体験設計は失敗です。従業員の体験価値はどんどん下がり、事業の持続可能性も途絶えるでしょう。
よく営業DXという言葉が聞かれますが、DXの本質はデジタルというより業務変革です。テクノロジーの活用ありきで考えるのではなく、まず体験価値を上げるための設計があり、そこにデジタルを有効に利用すると考える。その意味で、我々はDXを逆さにして、XD(Experience Design)重視のご支援をしますとお話ししています。
EYコンサルの真骨頂──ビジネスオーケストレーション
──それが、千葉さんが所属されるCXT(Customer Experience Transformation)チームの強みと考えていいですか。
はい。そのために、CXTチーム内のマーケティングや営業、カスタマーサクセスなどの専門家だけでなく、UXデザインや行動経済学、また人事や管理会計、リスク管理のチームなどとも絶えず連携しながら、顧客中心型の顧客接点改革を統合的に支援しています。
他社ファームと決定的に異なるのは、これら多種多様な専門チームが別会社でも別組織でもなく、ビジネスコンサルティングという大きな1つの事業ラインに内包されていたり、圧倒的な一体感を持って強固に結びついていることです。だからこそ、絶妙のハーモニーを奏でることができる。我々はこれをビジネスオーケストレーションと呼んでいます。
ですから、EYが求める人材も多種多様。とかくロジカルシンキングを重視する左脳人間と思われがちなコンサルタントですが、デザインやアートなどの感性に強みがある右脳人材にもどんどん加わってほしいと考えています。そんな多様性のるつぼに身を置いて、いい意味でのカオスを心底楽しめる人、そういう方を待ち望んでいます。
参考資料
株式会社帝国データバンク『特別企画: 新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査(2020年7月)
ベルフェイス 「オンライン商談に関する実態調査」
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