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Women in Techで誰もが輝ける社会へ
シニアマネージャー 丸山
テクノロジー領域に携わる女性の活躍を支援するWomen in Tech。そのリードを務める丸山は、女性であることを「個性」ととらえ、さまざまな個性を持つ人たちすべてが生き生きと働ける環境をつくりたいと話します。
企業の発展に不可欠なジェンダーイクオリティ
──丸山さんはEYのアクティビティのひとつWomen in Techのリードとして、ジェンダーイクオリティの実現に向けて取り組まれています。そもそもなぜ、テクノロジー領域で女性の活躍が求められるのでしょうか。
丸山 1つはテクノロジー分野に限ったことではありませんが、女性の活躍推進が社会や経済の発展を促すソリューションとなるからです。女性の活用というと倫理的・道徳的に必要なものだと思われがちですが、理由はそれだけではありません。
USAID(米国国際開発庁)のリサーチによれば、ジェンダーイクオリティが進んでいる上位25%の企業と下位25%の企業の収益性を比較したところ、47%の差があることがわかりました。クライアントの多様な課題に解決策を提示すべきコンサルティングファームとして、ジェンダーイクオリティの促進に取り組むことは必然であると言えるでしょう。
また、テクノロジーはポリティクスと並んで女性の活躍が進んでいない領域だと揶揄されることもしばしばです。実際にテクノロジー領域の離職率を性別で比較すると、女性のほうが50%も高いという調査結果があります。離職した女性の半数は35歳未満の女性となっており、多様なライフイベントを控えつつ、これからステップアップしていく女性のためにも、テクノロジー領域でジェンダーイクオリティの環境を整えることは急務だと考えています。
社内外に女性活躍推進のムーブメントを波及
──Women in Techは2019年にEY Globalで立ち上がったと伺いました。
丸山 EYは「Building a better working world~より良い社会の構築を目指して」というパーパスのもと、一企業の短期的、財務的な成長だけでなく、社会全体を良くしていこうという目標を掲げています。Women in Techというアクティビティは当時から世界のさまざまな場所で展開されていましたが、EYも女性の活躍支援を含めダイバーシティに関する取り組みを進め、社会に波及していきたいという想いで2019年に始動しました。
日本での活動がスタートしたのは、その翌年です。日本には独自の文化や風土があり、女性の活躍という点においてはまだまだ改善の余地があります。他の拠点に比べて伸びしろが大きいということで、日本独自の枠組みとして力を入れていこうと立ち上げられました。
──具体的に、どのような活動をしているのですか。
丸山 Women in Techの取り組みには3つの柱があります。1つ目は「Educate」。主に学生の方への支援です。例えば、男性優位と誤解されがちなSTEM領域ですが、そこに携わりたいと志す女性のエンパワーメントを目的に、高校でのジェンダーイクオリティに関する出張授業をさせていただいています。他にも、EY Ripplesと協働し、学童クラブや特別支援学校での出張授業をするなど、活動の幅を広げているところです。
2つ目の柱は「Incubate」。EYのテクノロジー領域で働く女性たちへのモチベーション向上とキャリアサポートに資する活動を行っています。具体的には、互いに相談し合えるネットワーキングの構築をめざして、「育キャリ@TC」という社内コミュニティを立ち上げました。
EYはさまざまな制度が整っていて、社内には育児コンシェルジュもいます。ただ、育児コンシェルジュはコンサルタント職ではないので、時には自分の仕事について熟知している人に話を聞いてほしい、ということもあるでしょう。
「育キャリ@TC」の特徴は、ママだけでなくパパコンサルタント、これから子育てをする若手、子育てを卒業したシニアまで、幅広いメンバーがいること。初めて開催したオンラインのランチ会では、育児での困りごとをシェアしたり、子育ての先輩からアドバイスをいただいたり、和気あいあいとした雰囲気のなか、さまざまな意見が飛び交いました。テクノロジーコンサルティングのリードパートナーからも「人生においてやり直せることは多いけれど、子育ての瞬間はやり直せない。個々人のキャリアにとって、プライベートの充実は不可欠」とのコメントもいただきました。いずれフェイストゥーフェイスでも開催したいと思っています。
──子育て世代の女性だけでなく、広く門戸を開いているのですね。3つ目の柱についても聞かせてください。
丸山 3つ目は「Innovate」です。EYのCorporate ResponsibilityプログラムであるEY Ripplesと共同で、地方起業家の支援をしています。自分が生まれ育った土地やゆかりのある地域の地方創生を目的に起業している方々の外部メンターとして、新商材の開発や販路の拡大など個々の課題解決をお手伝いする活動です。
──Women in Techの活動は、女性活躍支援に限らないのですね。
丸山 そうですね。私は、女性というのはひとつの個性だと思っています。個性ってたくさんありますよね。LGBTQ+もディスアビリティも、個性のひとつではないでしょうか。Women in Techの根底には、女性に限らず社会的にマイノリティになりがちな個性を持っている方々を支援したいという想いがあります。
多様な個性が輝く環境をつくりたい
──こうした活動にかける丸山さんの原動力はどこにあるのでしょう。
丸山 もともと新しいことに挑戦するのが好きな性格だということもありますが、根本にはシニアマネージャーに昇格したときに上司から言われた言葉が影響しているのかもしれません。「ここまでは上にいる人があなたを引っ張ってきてくれた。でもこれからは違う。下があなたを引き上げるフェーズだ」。自分がこれまで受けてきた享受を下に還元する番なのだと言われ、強く心に刺さったことを覚えています。
アフリカのことわざに「早く行くなら1人で行け。遠くに行くならみんなで行け」という言い伝えがあります。すごく好きなことわざです。私は、以前は早く行きたい、誰よりも良い成果をあげたいと思っていました。でも私1人にできることは限られています。もっと大きな成果をあげて、会社、社会に還元するためにはみんなで行く必要がある。そのためにも、女性であることを含め、不自由を感じる個性があるのなら全力でサポートしたい。その想いが力になっているのかなと思います。
──Women in Techとして、今後チャレンジしてみたいことはありますか。
丸山 2022年9月に、Women in Tech APACのメンバーが一堂に会する「APAC Women in Technology Summit」を開催しました。「LEARN」「INSPIRE」「INNOVATE」という切り口で講演やセッション、ディスカッションを行い、リーダーシップやコミュニケーションなど多彩なテーマで意見交換をすることができました。今年も秋頃に開催する予定なので、一層力を入れていきたいです。
さらに挑戦したいと思っているのは、「女性活躍推進」をコンサルティングソリューションの一つの柱として確立すること。冒頭で申し上げた通り、ジェンダーイクオリティは社会や経済発展のための有効な手段となりえますが、まだまだ認知が足りない状態です。
また、根本的には、日本の教育から変える必要があると思っています。日本では、常に「平均点」であることを求められます。全てにおいて平均点を取ることが大前提で、その前提を満たしたうえで、じゃあ何がこの人は突出しているの?を考える傾向があります。しかし、様々な個性を持った方が生き生きと活動するためには、「平均点思想」から抜け出して、純粋にその人一人一人の好きや得意にフォーカスしてあげる必要があると考えています。会社や社会はチームです。個人では平均点に満たない箇所があるならば、サポートしあえばいい。まさに「みんなで遠くへ」行ける世界を実現したいです。
──EYを志望する方にメッセージをお願いします。
丸山 コンサルティングは結果主義の側面があり非常に厳しい仕事ですが、一方で、夢をかなえられる仕事だとも思っています。私自身、インサイダーになって物事を自ら動かし、社会にアクションを起こしたいという想いを実現しています。EYは、夢を実現するための障壁を取り除き、活躍のステージを与えてくれる場所。夢をかなえたいという方に、ぜひ来ていただきたいですね。
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