EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(EYSC)

 
2022.08.09
社員・プロジェクト紹介

内定者がスポーツビジネスリーダーに聞く! EYの「スポーツビジネス」が実現する街づくり

アソシエートパートナー 岡田 明/ 新卒内定者 坪井さん

「スポーツ価値循環モデル」を掲げ、スポーツを通じて地方創生や社会課題の解決に取り組むEY。今回は、内定者を招いて、EYがユニフォームスポンサーとして支援した海外サッカークラブと浦和レッドダイヤモンズの試合観戦を実施。スタジアムの盛り上がりやスポーツの可能性を実際に体験しました。

試合後、スポーツビジネスへの関心を高めた内定者の坪井さんが、EYスポーツビジネスリーダーの岡田明に向けて、率直な疑問をぶつけました。スポーツビジネスにおけるコンサルタントの役割、そして日本のスポーツビジネスがもたらす未来とは ─

スポーツビジネスとは、コンテンツ価値を最大化すること

坪井:最初に、一般的にスポーツビジネスにおけるコンサルタントが果たす役割について教えてください。

岡田:一般的にコンサルタントとは、専門性や海外の知見などを活かしながらお客さまの課題や目指す方向を一緒に考え、並走するような仕事だと私は考えています。

スポーツビジネスの場合だと、あるプロスポーツ球団のビジネスをサポートしたり、先日坪井さんも浦和レッズと欧州チームとの親善試合で体感したようなスタジアムの盛り上がりをどのように経済活動や街づくりと結びつけていくのか、国や行政と考えたりすることもあります。スポーツはコンテンツビジネスなので、コンテンツの価値を最大化して、社会の様々な場所にインストールしていくことがスポーツビジネスにおける我々の仕事になります。

坪井:今おっしゃった「コンテンツ価値の最大化」という点について詳しく聞かせてください。僕の調べた範囲では、世界の時価総額トップ50企業の中に日本のスポーツチームは入っていません。そこに日本の企業が食い込むために必要なことは何だと思われますか。

岡田:スポーツが「コンテンツビジネス」であることを理解し、ビジネスにどのように生かしていくのか。このあたりの理解を深めまだまだ大きく飛躍する余地があると考えています。

これまでのスポーツビジネスの基本形は、チケット収入、スポンサー収入、アパレル・グッズ収入、この3つの「権利を得る」ビジネスでした。放映権も「ライツビジネス」の最たるものです。要するにグローバルなマーケットがほとんど視野に入っていないんですね。

先日坪井さんが観戦した浦和レッズと欧州チームの試合もそうですが、欧米の球団はグローバルなツアーを行ってスポンサー収入や放映権料を得るだけでなく、そこで自分たちの価値を高めてマーチャンダイジングでさらに利益を上げるという収益モデルを確立しています。実際に浦和の百貨店にはそのチームのグッズショップが展開していましたし、大成功のツアーだったと思います。

一方で、例えばプロ野球球団やJクラブがアジアの国で同様のことができるかと言えば、現状では難しいと思います。

坪井:確かに私が観戦した試合でも、駅からスタジアムの道のりで「欧州チームが来日したぞ」感がきちんと訴求されていましたね。改めて振り返ると、コンテンツバリューを高めてグッズ販売まで繋げていたのだと思います。まずはスポーツビジネスとはコンテンツビジネスであることを理解することが重要なんですね。

スポーツと街づくり

坪井:続いて、スポーツが街づくりにつながるという点についても具体的に教えていただけますか。

岡田:坪井さんもサッカー観戦の際、行き帰りに飲食をするなど、サッカー観戦以外でも一日中楽しまれたかと思うのですが、スポーツ観戦をきっかけに地域の飲食店や観光業が活性化する効果がありますよね。そして何より「試合観た?」「浦和レッズ、良かったね」と、球団を中心にした共通理解を持つコミュニティが生まれて、街が活性化していくことが大きい。さらにスポーツをする人が増えれば、医療費の削減という社会課題の解決にも副次的な効果が生まれます。

このようにスポーツとの掛け算で街の価値が高まっていくと、人口や税収の増加を期待できるようにもなります。スタジアムやアリーナを中心に「スポーツによる価値循環モデル」が生まれるわけです。

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坪井:その正のスパイラルが回っていくと、地域に良い効果が生まれるんですね。

他の業界のコンサル、例えば自動車業界などと比べて、スポーツビジネスのコンサルタントだからこそのやりがいはありますか。

岡田:どんな業界であっても、その企業が最終的に何を提供しているかを追求していくと、人々の暮らしを変えるというところに行き着き、やりがいを感じながらコンサルティングできると思います。自動車業界であれば、彼らのプロタクトやテクノロジーで人々の暮らしを良くしている。私はある大手通信販売会社のコンサルティングをしていますが、彼らが商品を介して提供しているのは「『今を生きる楽しさ』を!」なんですね。

EYには「Building a better working world~より良い社会の構築を目指して」というパーパスがあり、どんな業種のコンサルティングであっても社会を良くする目標が前提にあります。スポーツビジネスの場合は、人々の感動や熱量を起点として、そこに新たなものが生まれ、より良い社会の構築につながっていく。私としては、そこに面白さを感じています。

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(写真)左より、FY23 10月入社予定の坪井さん/EYSC公共・インフラセクター スポーツビジネスリーダー岡田 明

スポーツビジネスのコンサルタントになるために

坪井:新卒コンサルタントがスポーツビジネスに貢献するために必要な準備を教えてください。

岡田:既成概念に捉われず、いろいろな知識の中からインサイトを導き出すことがコンサルタントには必要なので、まずは様々なスポーツの現場を体験することが大事ですね。

プロの試合を観るだけがスポーツではありません。部活動も、学校の運動会も、医療もスポーツですし、スポーツに関与しているのはプレーヤーだけでなく、例えば部活をしている子どもの親も含まれます。

仮に子どもが甲子園に出場すればバスをチャーターして応援に行く。そうするとスポーツが観光業にも影響を与えることになる。スポーツの広がりを日常生活で想像しながら考えてみることから始めてみるのがいいのではないでしょうか。

坪井:スポーツは本当に日常に根付いているのですね。

岡田:そうなんですよ。それだけ人の暮らしに重要なことである証だと思います。

坪井:今まではスポーツビジネスと言うと、優勝すればお客さんが増えて、グッズが売れて、収益が上がることが全てだと考えていました。岡田さんのお話を聞いて、コンテンツバリューの最大化、地域の活性化など多様な側面を知り、もっと総合的に考えなければいけないと感じました。

個人的には選手のキャリアに興味があるので、ビジネスの面から球団をサポートすることに加えて、選手個人の豊かな生活にアプローチができる取り組みができたらと願っています。

岡田:選手のセカンドキャリアは、スポーツ庁と一緒に私のチームがまさに今、取り組んでいるところです。ぜひ戦力になってもらえたらうれしいです。

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(写真)7月20日埼玉スタジアムにて、EYがユニフォームスポンサーとして支援した浦和レッドダイヤモンズの選手たち

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