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「メタバース」最前線──たゆまぬコンサルタントの挑戦
マネージャー 瀧波 マネージャー 梁
世界中のあらゆる業界が注目する巨大市場「メタバース」。インターネット上に構築される仮想空間で今、産声を上げようとするビジネスが無数にあります。その中で、待ち望まれる成功事例になるべく、全力を尽くしている企業とそれに伴走するコンサルタントがいます。最前線に立つ2人のマネージャーに想いを聞きました。
まだ見ぬメタバースの成功モデルに向かって突き進む
──「メタバース」が各界から熱い視線を集めています。お二人はコンサルタントとしてその最前線のビジネス展開を支援されているとのことですが、どのような挑戦をしていますか。
梁 メタバースの市場規模は今年2022年で約939億ドル、今後毎年40%以上の成長が見込まれるとする調査結果があります。それだけポテンシャルの大きな世界であることは確かですが、今は黎明期にあるのが実状です。本当の成長はこれからで、成功事例やベストプラクティスと呼べるようなものはまだありません。その中で、もとより国境などないグローバルな競争環境にさらされながら、どんな新しい事業を起こして勝ち抜いていけるのか、その最初の場面に立ち合うこと自体が非常にチャレンジングだと思っています。
瀧波 そうですね。言ってみれば、まだ誰も見たことがない世界を創造するような仕事です。私は前職で9年ほどITコンサルタントを務めていましたが、仕事運びにはある程度のフレームワークがあって、その型をベースに案件に応じてカスタマイズすればいいような部分がありました。メタバースのビジネスにはそれがありません。イチから自分の頭で考え、クライアントとともに試行錯誤を繰り返しながら新しいフレームを創造する。このダイナミズムに挑み、また楽しんでもいるところです。
梁 メタバースというのはまだ、ゲームやエンターテインメントに代表されるように、特定の分野との親和性が高いと思われています。そのいわばタグが外れて、医療や教育や小売業といった幅広いテーマへと広がりを見せていく過程をうまくリードできたらと思っています。
そのためにはビジネスの土台となり、顧客同士の交流や体験の舞台となるプラットフォームが必要ですが、ここでいかにユーザー数の規模を上げるかが鍵になります。あるテーマでSNS並みの人数を獲得し、収益化の仕組みが確立できれば、そのモデルを別の領域にも横展開してどんどんテーマを広げることができるでしょう。
瀧波 私自身はそうしたプロジェクトを動かすことを通じて、日本企業の敏捷性、すなわち意思決定であったり、顧客ニーズの吸い上げであったり、プロダクトの開発であったりというもののスピード感を最大限に高め、短期間で成果を出していく仕組みを定着させたいと思っています。
テクノロジー関連の大企業の硬直化した組織に変革を起こしていく過程を描いた有名な書籍がありますが、まさにこのメタバースの事業は、「踊れない大企業」を動かすほどの起爆剤にもなり得ると思っています。その経験を通じて、組織と人の動き方、マインドセットを変えることができたなら、その種子を日本企業全体の実りにつなげられるよう、さまざまな業界をサポートしたい。そんなふうに考えています。
現実世界と仮想空間を融合させるビッグプロジェクト
──そうした想いを体現できるような、具体的なプロジェクト事例がありましたらご紹介ください。
梁 ある大手企業とのプロジェクトで、大規模なメタバースプラットフォームを創造する計画を進めています。メディアからの注目度も非常に高い、まったく新しい事業でユーザー同士が交流できる魅力的なコンテンツを開発し、今までにない体験価値の提供を目指しています。
瀧波 EYはテクノロジー/メディア・エンターテインメント/テレコム(以下、TMT)セクターが中心となってプロジェクトに参画し、事業全体の構想策定から、具体なサービスの企画・開発まで、クライアントとチーム一体となって進めているところです。梁は主に構想や計画に関わる上流部分、私はそれを受けたサービス開発などを中心に担当しています。
梁 繰り返しになりますが、こうした事業で成功したといえる企業は世界中を見てもまだ現れていません。我々のクライアント企業がその先鞭をつけ、メタバース・プラットフォーマーとして世界市場をリードする。そういう極めて野心的で挑戦的なプロジェクトです。
瀧波 ゲームの世界とメタバースの空間が決定的に異なるのは、リアルとデジタルの2つの世界を連動させる仕組みがあることで、あたかもその空間が「生活の場」であるかのように日常の延長として過ごせるようになることです。それが実現できるかどうかに、メタバースの成否がかかっているといってもいいでしょう。成功すれば、ユーザーにとって今までにない体験が得られる場所となり、顧客とのエンゲージメントは飛躍的に高まるはずです。
未知の領域を果敢に拓くチャレンジ精神を携えて
──チャレンジングな環境の中で、EYはどのような役割を果たしていますか。
瀧波 人と人、組織と組織をつなぐ役割が1つ挙げられます。大きなプロジェクトになればなるほど、チームの規模も拡大し、さまざまなバックグラウンドを持つメンバーが1つに集まります。専門性も違えば共通言語も異なる多彩な人たちの間に入り、コンセンサスが取れるよういい意味で癒着させ、見えない情報を可視化する。これが非常に重要です。
梁 同じことが私たちEYの側にも当てはまります。プロジェクトのメンバーを構成するのはTMTだけではありません。テクノロジーや法律やファイナンスといった多様な分野の専門人材が必要となる場面は当然ありますから、その状況に応じてEYが有する人的資源を柔軟に組み合わせ、連携力によって課題を解決しています。EYの最大の強みはこのコラボレーションです。
瀧波 そこで重要になるのが、専門力の提供です。メタバースの事業は未知の領域の連続ですから、どんな知識や技術が必要になるかわかりません。いざというとき、素早く必要な情報にアクセスでき、求められる専門家や専門知識を投入できること。これもEYの強みといえますね。
梁 グローバルな連携がそれを可能にしている面もあり、海外のチームといつでも即座に協力し合えるメリットは日々感じています。面識のないメンバーとも気楽に相談できて、すぐに対応してくれる。前職のファームでは考えられないことでした。
──それぞれが感じているEYの魅力を交えて、これから応募される方へのメッセージをお願いします。
梁 EYの良さは、今お話ししたグローバルワイドの連携と、自分自身が積極的に手を挙げればどんどん機会が与えられ、成果を出せば、端的にそれが評価されるフランクな企業文化が根づいていること。非常にフェアでシンプルな組織風土だと思います。
そのうえで一緒に働く人に求めたいのは、起業家精神と知的好奇心。特にメタバースのような新しい領域を切り拓いていくには、この2つの要素が不可欠だと思います。私たちも最初からメタバースに通じていたわけではありません。未知のことがあれば勉強して、EYの誰よりも詳しい人間になろう、そんなチャレンジスピリッツが大切だと思っています。
瀧波 新しい世界に踏み出すのは誰でも不安なものですが、そこを突破する強い意志とチャレンジ精神はやはり大切ですね。成長したい気持ちを強く持ち続けられるのなら、前職の仕事がどういう分野だったかはあまり関係がないと思います。そういう人には我々も刺激を受けますし、その相乗効果でEYがどんどん面白い場所になっていくのでしょう。
そういったバラエティに富んだ人々との接点と、考えてもみなかった新しい視点に出会えることが魅力の1つ。加えて、プロジェクトの全体に一気通貫で関わることで、「顧客にとって本当に必要なこと」を起点に解決策ありきではない価値を提供できること。これを今、とても楽しんでいます。
■参考ソース:
メタバースの市場規模
Emergen Research, METAVERSE Global Trend Analysis and Forecast (2021)
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